不便さから生まれたアイデア
そもそも、ファイルやテプラがメイン商品のキングジムがなぜこうしたホワイトボートを作ることになったのか。その点が気になったので、おたずねしてみた。実際キングジムではホワイトボードを作るのは今回が初めてだという。
実はこの誕生のきっかけはキングジムの開発者が、ホワイトボードを使っている中で常日頃感じていたある不満点がそのスタートだった。
開発者は一人で同時にいくつもの商品の開発に取り組んでいて、日々とても忙しくしている。打ち合わせや会議では大きな図面を机に広げそしてホワイトボードも同時に使うというのが一般的。
そうした打ち合わせや会議の中で、図面を見ていて、ちょっと離れたホワイトボードに書くというのが、かねがね面倒くさいと感じていたという。
ならば図面を広げている机の上にホワイトボードをも作れないだろうか。それがこのミーティングシート開発のきっかけとなったそうだ。
ミーティングシートで実現できる新たな会議スタイル
シートは書くだけでなく、<ポスト・イット>ノートを貼ることも可能。ブレストに最適だ。 |
ミーティングシートではみんながまさに同じ土俵にあがり参加することができる。ミーティングシートを囲んでの会議となるので、誰でも気軽にシート上に書き込むことができ、活発な議論を繰り広げることができる。
つまり、一人一人の参加性を上げることができるのだ。
これがこの商品の最大の特徴と言える。ブレストをはじめ様々な会議で活用をできるのではないだろうか。
わざわざ会議室に行かなくともテーブルさえあればどこでもミーティングができる。キングジム ミーティングシート 60cm×60cmタイプ 6,825円。60cm×90cmタイプ 7,875円。 |
取材後記
今回のミーティングシートはホワイトボード、そして速乾性のあるマーカーという、実はいずれもこれまで単体としてはすでに存在しているものだった。それらを組み合わせたところに、この商品のユニークさがある。
そしてテーブルの上で行うミーティングツールという発想もとてもユニーク。これは逆に言ってしまうと机の上でしかできないとも言える。しかし、ユーザーからするとこうして具体的な使い方まで踏み込んで提案してくれる商品というのは、わかりやすくて助かる。
考えてみるとキングジムでは昨今こうした用途を限定した文具を次々にヒットさせている。例えば、「取扱説明書ファイル」やテキスト入力だけに限定したデジタルメモ「ポメラ」がなどがそうだ。私はこうした文具を「シチュエーション限定文具」と呼んでいる。
今後は、何でもできる文具からこれだけは負けないという、用途を限定した文具がさらに台頭してくるのではないかと思う。
<関連リンク>
キングジム ミーティングシート
<会議に役立つステーショナリーと言えば。>
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