ガイド:
私もまさに今こうして取材を行っている訳ですが、限られた時間で、情報をお聞きしながら書きとめるというのは結構大変ですよね。何か工夫されていることはありますか?
中村さん:
以前はノートの左上から順々に下へと書いていました。いわゆるごく普通のノートにとり方ですね。しかしこれだと、あとで見返した時にとてもわかりづらいんです。全ての情報が並列になってしまい、全体像というものが俯瞰しにくいんですね。そんな時、久垣啓一さんの「図で考える人は仕事ができる」という本を読んで、そこで紹介されていたキーワードを図で書いていくというのを真似ています。
相手が話すキーワードだけをメモしてそれらをつなげている。一見すると「マインドマップ」のようだが、これは違うと言う。 |
この方式を取り入れるようになってからは、あとの作業が格段にまとめやすくなりました。
それから、他に工夫していることとしては、取材中に思いついた質問などは、ノートの上の欄にまとめて書くようにしています。こうしておけば、取材中でも忘れることがありません。
ガイド:
さて、もう1冊の「記録ノート」にはどんな事を書いているんですか?
中村さん:
この「記録ノート」とスケジュール帳は、かたときも離さずに常に持ち歩いています。仕事中はもちろん、プライベートの旅行の時もです。さすがに妻からはいやな顔をされますが(笑)。
この「記録ノート」には、今後の企画に役立ちそうな情報、例えば新聞や雑誌の切り抜きなどを貼ったり、思いついたアイディアなんかを書いています
ガイド:
アイディアというと一般的には、メモパッドなどに書くことが多いと思いますが、中村さんは、ノートなんですね。
中村さん:
そうなんです。私はメモ帳は一切持ちません。以前は使っていたこともありましたが、メモだとどうしても、ノートへの転記をしなくてはなりません。それが面倒くさいですし、うっかり転記し忘れると、そのまま忘れてしまうなんてことになるからです。要はできるだけ情報を分散させたくないんですね。ですので、メモも含めてすべてこの「記録ノート」に書きとめています。
「記録ノート」には思いついたアイディアなどをどんどん書き込んでいく。 |
私の場合アイディアは大きく2つあります。ひとつは、今申し上げたような今後の企画に役立ちそうなものです。それから、もう一つが、やるべきことというものです。後者については、記録ノートではなく、後ほどご説明するスケジュール帳に書きとめるようにしています。
新聞や雑誌の切り抜きを貼るのにB5サイズはちょうど良いという。 |