5.糸かがり
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糸かがり機の上にはいくつのも糸巻きがあった。先ほどの丁合では、まだ重ねただけの固定されていない状態。これをしっかりと製本しなくてはならない。手帳では糸で縫い合わせるように束ねていく。これを「糸かがり」と言う。
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先ほどの束を糸でかがっていく。
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等間隔でしっかりと糸でかがられている。
製本には、「糸かがり」の他、糊によるもの、中綴じと言ってホチキスでとめたようなものなどがある。手帳のほとんどが「糸かがり」を採用しているのは何度開いても頑丈で、しかもページの見開き性がよいからだ。使われている糸は手帳専用に開発したもので、綿の糸にコーティングしたもの。
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糸かがりしたものは機械で圧力をかけていく。
これを「ならし」と言う。
6.背固め
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下にあるのは白い液体糊。
糸でかがった背の部分にこんどは糊を塗って固めていく。あえてこれを行うのは糸だけでは、ページ開いた時に綴じ部分に隙間ができてしまうため。この糊の入れ方が大変難しく、多すぎるとページが開きにくくなってしまい、少なくともいけない。そのあんばいが難しいという。糊は、固まっても柔軟性のある特殊なものが使われている。
7.見返し貼り、背巻き
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猛スピードで流れていく束の背に寒冷紗と呼ばれるテープが貼られていく。
次の工程では出来上がったものに「見返し」を付けていく。「見返し」とは手帳の本文ページと外側のカバーをつなぎ合わせるためのもの。手帳の表紙を開くと無地の厚手の紙があるが、まさにこれのことだ。これは手帳に限らず本などでも見られる。先ほど糸でかがった束を見返しの紙でちょうどサンドイッチするようにはさみこみ、背から寒冷紗と呼ばれるメッシュ状のテープで固定していく。この一連の作業が一つの機械で次々に行われる。
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だいぶ手帳らしくなってきた。