ステーショナリー・文房具/ボールペンを愉しむ

アレッシィらしさあふれるデザインのペン

イタリアのキッチンウエアブランド「アレッシィ」が2006年から三菱鉛筆とコラボレーションをしてペンを発表しています。このほど、その新作が登場しました。

土橋 正

執筆者:土橋 正

ステーショナリーガイド

アレッシィペンズ アルド・ロッシモデル 三菱鉛筆
「アレッシィペンズ アルド・ロッシモデル」
左/ラ・クーポラ シルバー、ブラック 右/ラ・コニカ シルバー、ブラック 各8400円
イタリアのキッチンウエアブランド「アレッシィ」。人の形をしたコミカルな動きをするワインオープナーなど、カラフルで楽しさあふれるデザインで日本でも人気を集めている。

そのアレッシィが2006年から三菱鉛筆とコラボレーションしてペンを発表しているのは、文具好きの皆さんならすでにご存じのことと思う。そこで今回は、その新作となるアレッシィ ペンズ アルド・ロッシ モデルをご紹介する。

アレッシィの定番のエスプレッソメーカーをペンに

アレッシィ エスプレッソメーカー
ロッシがデザインし、ロングセラーとなっているエスプレッソメーカー
アレッシィのキッチンウエアはひとつひとつのアイテムがとても個性的なデザインをしているのが特長。それもそのはずで、実は社内にデザイナーを抱えることなく、常に外部のデザイナーとコラボレーションするスタイルをとっているからだ。

その中の一人にイタリアミラノ出身の建築家アルド・ロッシ氏がいる。イタリアの巨匠建築家であるイグナチオ・ガルデラ、マルコ・ザヌーソのもとキャリアをスタート。建築界のノーベル賞とも言われるプリツカー賞も受賞している。その彼が、アレッシィとコラボして作ったのが、「ラ・クーポラ」と「ラ・コニカ」というエスプレッソメーカーだ。

これはデザイン的な評価だけでなく、ビジネスの面でも非常に大きな成功を収め、同社の稼ぎ頭となったプロダクツでもある。建築家らしくエスプレッソメーカーのトップはイタリアの教会などにもよくあるドームスタイルをしているのが印象的だ。

しかし、アルド・ロッシは、1997年に不慮の事故で亡くなってしまう。彼は生前このエスプレッソメーカーをモチーフにしたペンも計画しており、そのスケッチを残していた。
彼が残したデザインをベースに、当時彼のもとで働いていたデザイナー、クロード・ズッバーがロッシの意志を引き継ぎ、三菱鉛筆とのコラボレーションによって完成へとこぎ着けたのだ。それが今回のアルド・ロッシモデルのいきさつである。

アレッシィペンズ アルド・ロッシモデル 三菱鉛筆
左/「ラ・クーポラ」。クーポラはドームという意味 右/「ラ・コニカ」コニカは円すいの意味
画像をご覧いただければ、お分かりの通りそれぞれのエスプレッソメーカーのデザインをしっかりと継承し、同時に筆記具としてもしっかりと成立させている。ポッドの上蓋のスタイル、さらにはその先端の玉までもが忠実に作りこまれている。エスプレッソメーカーの取っ手は、ペンにおいてはクリップに形を変えられている。こうしてエスプレッソメーカーと並べて一つ一つを比べてみると実に面白い。

このペンエスプレッソメーカーをモチーフにしているということで、ペンには珍しく立てられるようになっている。一方筆記具としても、しっかりとこだわって作り込まれている。

次のページでは、「このペンの使い心地」をご紹介。
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