スティピュラ ダヴィンチ 万年筆
万年筆にはキャップがつきものだ。これには、ちゃんと理由があって、万年筆の命であるペン先を保護するということと、ペン先のインクが乾かないようにするということからなのだ。
このほどイタリアのペンブランド、スティピュラからキャップを持たない万年筆「ダヴィンチ」がお目見えした。キャップがないので、普段はペン先がボディの中に隠れていて、筆記するときだけ繰り出されてくる仕組みを搭載している。
言葉にしてしまうと、なんとも簡単そうに聞こえるかもしれないが、そのギミックが、それはそれはユニークなものになっている。
とくとご覧いただきたい。
驚きのギミックとは。。。
キャップをもたない万年筆
キャップもなく、しかもペン先も外側に出ていないので、これまでの万年筆とはかなり違う印象を受ける。
フラットになっているペンの先端部分には、意味ありげに半月状の窓がある。しかし、その窓はピシャッリと閉ざされたままになっている。実はこの半月状の窓の奥に万年筆のペン先が隠されているのだ。
ペンの先端には半月状の窓がある
ボディをツイストをしてみると。その窓がじわりじわりと開いてくるではないか。
手元を休めずに引き続き、ボディをツイストし続けていくと、開いたその窓の奥から厳かにペン先がぐいぐいと繰り出されてくる。
窓が開きながらペン先が出てくるその動きの見事なこと。ボールペンのペン先が繰り出されるのは、何度も見ているので驚かないが、さすがにこうした大きな万年筆とのペン先となると、見ていてかなりインパクトがある。
そのギミックのあまりの楽しさから、ついつい何度も出したり、引っ込めたりと繰り返したくなってしまう程だ。
ボディをツイストすると、半月状の窓がしだいに開きはじめ | ペン先が顔を出し始め |
最終的にペン先が完全に繰出される
ツイスト式ということで、ボールペンのツイスト式をイメージされる方がいるかもしれないが、それとはかなり違うものになっている。なにしろ、このツイストが司どっているのは「窓を開ける」、そして「ペン先を繰出す」という2つの仕事なので、そのツイストは、約3回転半と結構長い。さすがにボールペンのように片手で気軽にツイストするという訳にはいかず、両手でしっかりと持ってぐりぐりと回してあげる必要がある。
このペンを使うには、こうしたスローなペンの繰り出しをじっくり堪能できる心のゆとりが必要なのかもしれない。
この繰り出し万年筆の機構は、スティピュラ社の特許技術だそうだ。
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