流れるような優しいラインで身を包んだペン
クロス ヴァーブ
誰もがご存知のペンブランド、クロス。クロスと言えば、細身のセンチュリーがまず思い浮かぶところだが、このクロス ヴァーブは2004年の発売以来クロスの新たな顔になりつつある。これまでとは、また違った魅力をもっている。それは、まるで女性のような優しいフォルム。
凹凸のない滑らかなボディ
このペンを最も印象付けているのが、クリップにかけての独特なラインだ。ふつうのペンであれば、クリップはボディよりもでっぱっているものだが、このクロス ヴァーブでは多少のふくらみはあるもののほとんどすき間がなく、一体化されてしまっている。
まるで、ボディに溶け込んでいる クリップ | クリップの根元を押し込むと クリップが浮かび上がる |
この、クリップはただの飾りかと言えばそうではなく、実用性も併せ持っている。一般的にクリップを使うときは、クリップの先端をつまんで持ち上げるのだが、このヴァーブでは先端が完全に埋っているので、それができない。そこで、クリップの根元をぐいっと押し込んであげると、先端がもちあがってくるという仕掛け。
女性は、クリップを使ってシャツのポケットなどにペンをさすことは、ほとんどしないので、こういう一体化したクリップは女性にはいいのではないかと思う。手帳にさすときは先ほどの要領でクリップを押し出すこともできるのだから。
いくつかあるカラーバリエーションの中で、特に女性におススメなのが、ラディアルクロームとメルローレッド。
光沢あるメタルボディに横ストライプをあしらったラディアルクローム | 上品なバーガンディの メルローレッド |
ラディアルクロームはキラキラとしたメタルボディにペンにしては珍しい横ストライプが刻み込まれている。流線型のフォルムとあいまって、まるで未来の生き物のようなミステリアスな雰囲気がある。ちなみに、このラディアルクロームは2006年のニューモデル。
使っていると、周りから痛いほどの視線を感じる存在感のあるデザイン | フルボディのワインのような深みのある落ち着いた赤 |
メルローレッドは上品なバーガンディカラー。表面に施された細かな模様は、近くでよく見ると蛇革に見えなくもない。手にしたときのホールド感は抜群。
このいずれのモデルも大きなボディのわりに、手にしてみるととても軽い。これなら女性の方にも気軽に普段使いのペンとして持ってもらえることだろう。
ヴァーブには万年筆も用意されている。この万年筆のペン先がボディのデザインに負けず劣らず実に美しい。グリップ部分からほとんど段差がなく流れるようにペン先へとつながっていて、しかも、ペン先が首軸をぐるりと包み込むようになっている。ペンの端から端まで流れるようなフォルムというデザインコンセプトがしっかりと貫かれている。
クロス ヴァーブ 万年筆
ペン先が一般的な万年筆よりもが丸みを帯びているせいだろうか、ペン先の弾力はあまりなく、いくぶん固めな書き味だった。ボールペンを使い慣れている筆圧の強めの方にはちょうどよいかも知れない。
グリップからあくまでも自然にペン先へとつながっている | 首軸をぐるりと包み込むような ペン先 |
ラディアルクロームの万年筆のみ ステンレスのペン先 | すこし固めの書き心地 |
しなやかな女性の手にこそ、このクロス ヴァーブの流れるようなフォルムはとてもよく似合う。デザインにうるさい女性には特におススメ。
■ クロス ヴァーブ
ラディアルクローム
万年筆(ステンレスペン先ロジウムコート)25,200円
ボールペン 13,650円
セレクチップローラーボールペン 18,900円
メルローレッド
万年筆(ステンレスペン先ロジウムコート)47,250円
ボールペン 18,900円
セレクチップローラーボールペン 24,150円
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