ステーショナリー・文房具/ボールペンを愉しむ

NASAが認めた宇宙でも書けるボールペン(2ページ目)

世界初の有人月面着陸、アポロ11号の時に使われたボールペン、フィッシャースペースペンAG-7。極限状態の無重力を耐え抜いた信頼の1本をご紹介します。

土橋 正

執筆者:土橋 正

ステーショナリーガイド


無重力でも書けるその威力を実感するには。。。

この宇宙でも書けるというスバラシイ仕組み、頭ではわかっても、実際に宇宙に行って確かめるということもそうそうできない。そこで、日ごろの生活の中で、この威力を肌で感じることができる方法をご紹介しよう。

フィッシャースペースぺン AG-7
実は、ボールペンが不得意とする
上向き筆記
それは、上を向いて書いてみるということ。どういうことかと言うと、先ほどもご説明したように、普通のボールペンは重力でインクがペン先に出てくる仕組み。上向きで書くと、はじめのうちは書けても、しだいにインクがペン先に行かなくなり、最後には書けなくなってしまうのだ。普通のボールペンの取り扱い説明書には「上向きには書かないでください。」と書いてあるくらいだ。

でも、このスペースペンは大丈夫。ペン先がどこを向いていようが、カートリッジの中の窒素ガスの働きによって、スムーズにインクが出てくる。

会社で片付かなかった仕事を家に持ち帰り、ソファーなどに寝転がって、書類に書きこむときや、寝転びながら本を読んでいるときに線を引く、といった時に、大活躍してくれることだろう。

使い心地は。。。

 

フィッシャー スペースペンAG-7
一切の無駄を省いたメタル感あふれるボディ

フィッシャースペースぺン AG-7
しっかりとしたノックの感触からも
造りの良さが感じられる。
見るからに、月に行ったという風格漂うボディ。宇宙服のごっつい手袋をしたままでも操作しやすいようにと言うことなのだろう、押しやすいノック式になっている。それをぐいと押し込んでみると、「カチッ」というメカニカルな音がする。ペン先を引っ込めるには、ボディ横に飛び出ている丸いボタンを押し込んであげればいい。この時にも「シャキッ」といういい音がする。
 

 

フィッシャー スペースペンAG-7
ボディ内の気密性を高めるために
ネジ山がたくさん切られている。

私はこうした造りの良さそうなペンを見ると、どうしても分解して中がどうなっているのかを確認したくなる習性がある。そして、いつもの様に、ボディをくるくると回してはずしにかかった。ところが、いくら回してもなかなか外れない。ようやくのことではずして、その結合部を見てみれば、明らかに普通のボールペンよりもねじ山がたくさん切られている。きっと気密性を高めるためなのだろう。同時にこの気密性により、先ほどのノック音がいい音を奏でていたのだと思う。

フィッシャースペースぺン AG-7
宇宙でも耐えうる特殊なインクは
少しばかり粘り気のある書き味
インクは特殊な粘着性の強いものでドライアップがなく100年以上の保管も可能というからすごい。私よりも長持ちしてしまうことになる。さらには、-34度~+121度という極度の寒さ、暑さの中でもスムーズに使うことができる。まさに、極限状態での筆記を可能にするボールペンだと言えるだろう。

 

必要以上の造りの良さを味わう


制限速度時速100kmの日本に200km以上ものスピードが出せる車がある。そんなスピードを出すところもないのだから、必要ないと思う方もいるかもしれないが、これは、車の余力を愉しむということだそうだ。

その意味で言えば、このスペースペンも同じかもしれない。宇宙という極限状態を耐え抜いたペンを日常生活の中で愉しんでみるというのもいいものだと思う。

でも、近い将来、宇宙旅行に行くこともあり得るかもしれないので、その時のために、今から1本持っておくのもいいだろう。

 

フィッシャースペースペン AG-7
フィッシャー スペースペン AG-7 10,000円+Tax

<関連リンク>
フィッシャー スペースペン オフィシャルサイト
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