ステーショナリー・文房具/ボールペンを愉しむ

イームズやライトのデザインをまとったペン

ハワイに拠点を置くペンブランドACME(アクメ)。個性的なデザイナーや建築家とのコラボレーションにより生み出された数々のデザインペン。その直営店にお伺いして、色々なペンを拝見してきました。

土橋 正

執筆者:土橋 正

ステーショナリーガイド

ACME アクメ ローラーボール

ecute(エキュート)品川にオープンした
アクメ直営ショップ
10月1日、JR品川駅構内に「ecute(エキュート)品川」というショッピングビルがオープンした。改札を出ることなくショッピングを楽しめるという本格的なもの。今までの駅構内というと、どうしても本屋さんや、飲食店が中心だったが、このecute品川には色々なショップが入っているので、ちょっとしたデパートのような充実ぶりだ。

この2階に、アメリカのペンブランド「ACME(アクメ)」の直営ショップがオープンしたというので、早速伺ってみた。


ACME(アクメ)というブランドとは・・・

ACME アクメ 水性ボールペン
思わず楽しくなってしまう色とりどりなデザイン

アクメは、世界的に著名なデザイナーや建築家とコラボレーションして、ステーショナリーをはじめ、腕時計やアクセサリーなどを創り出しているデザイン会社だ。

その歴史は意外とまだ浅く、1985年にデザイナーであるエイドリアン・オラブエナガと彼の妻、レスリー・ベイリーによってアメリカで創業された。当時は、主にブローチのデザインを手がけていたという。

そんな小さなデザイン会社が一躍世界でも知られるようになったのは、著名な建築家、エットレ・ソットサスがアクメのデザインを手がけるようになってからだ。ソットサスの名は知らなくても、オリベッティの真っ赤なタイプライター「バレンタイン」のデザイナーと言えば、ご存知の方も多いと思う。

ソットサスの呼びかけにより、12名の建築家が集まり、デザイン集団「メンフィス」が組織され、アクメのために様々なデザインを行っていった。その洗練されたデザインが注目を浴び、その後、たくさんのデザイナーたちがアクメに参加することになる。

acme アクメacme アクメ ペン

そして、日本でも多くのファンを持つ建築家、フランク・ロイド・ライトの名も加わっていくことになった。ライトは、すでに他界しているので、フランク・ロイド・ライト財団がデザインライセンスを提供するという形で、ライトのペンが実現した。ライトが旧帝国ホテルの設計を手がけたことは有名だが、その時のテーブルウエアのデザインをモチーフにしたものや、「ROBIE HOUSE」のステンドグラスなど代表的な作品がペンの中でよみがえっている。

acme アクメ 水性ボールペン
フランク・ロイド・ライトのデザイン
上:「ROBIE HOUSE」、下:「IMPERIAL」
各 7,140円

また、ミッド・センチュリー・モダンの巨匠と称されているデザイナー、チャールズ&レイ・イームズのペンもある。代表的なテキスタイルのドットデザインをペンで楽しむことができる。

acme アクメ 水性ボールペン
チャールズ&レイ・イームズデザイン
「DOTS」 7,140円

こうした柄は、ラミネートプリントという手法でペンの表面に施されている。ともてクリアな仕上がりになっているので、ライトやイームズのデザインをじっくりと堪能することができる。

この他にも、キース・へリング、リチャード・マイヤー、マイケル・グレーブスをはじめ、現在では50名を超えるデザイナーが80種類ものペンを創り出している。このアクメを評して、MoMAニューヨーク近代美術館のディレクターRuth Shapiro氏に「アクメは、ペンビジネスにおけるSWATCHのようだ。」と言わしめている。

>>次に、ペンとしての実力を見てみよう
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