考えてみると、これも結構種類が多い!
アッパー以上に適材適所性が求められるのが、「底」の素材でしょう。「どのような人がどんな場所でどう履くか?」それ次第で最適解は当然、様々です。 |
昨年の秋ぐらいから、ぼちぼち記事にしていた一連の「靴に使う牛革」の記事、いかがでしたでしょうか? 一言で「牛革」と表現しても、原皮を取る牛の年齢や鞣しの方法、加工の方法それに色の付け方で非常にバリエーションがある事をご理解いただけたかと思います。それと同時に、一種の適材適所的な観点も重要である点を認識していただけますとガイドとしては一層嬉しいです。
上記の一連の記事ではその多様性ゆえに、靴のパーツとしてはどうしてもアッパーを中心とした話にならざるを得ませんでした。ですのでバランスを取ると申してしまっては何なのですが、今回からは暫くの間、この「メンズシューズ基礎徹底講座」ではその下、すなはち靴の「底」について、色々お話ししてまいりたいと思います。「底」は大まかに分けると「アウトソール」と「インソール」それに「ヒール」に分けられますが、主にアウトソールを対象にお話しし、必要に応じて他のものの話も付け加えてまいります。
「底」は耐熱性や耐水性・耐圧性それに耐摩耗性だけでなく、安定した歩行を支える為に柔軟性や可塑性も高度に求められる、間違いなく靴の中では最も酷使されるパーツです。それゆえ革素材が圧倒的な優位性を依然保っているアッパーとは異なり、この部分は紳士靴の世界であっても今日革以外の素材が相当幅を利かせるようになったのは、日常生活の中で皆さん認識なされているでしょう。面白い新素材が色々と出て、しっかり定番となるものもあれば、あえなく消えてしまうものもあるわけで、いやはやこれも奥深い世界なのですが、まずは基本の素材からお話ししましょうか!
次のページでは、まずはやっぱり「あれ」から見て行きましょう!