オイルドレザー以外にも使えます!
英国のTricker’sを代表するアッパーである”C Shade”レザーに、向かって左側(右足)は通常の無色の乳化性靴クリームを用いたもの。一方右側(左足)はジェエルのブーツクリームで仕上げたものです。どちらもツヤは十分出ているものの、後者の方が輝きに「落ち着き」があるのがお解りいただけるかな? |
「実際に多く履かれているのは『現場』ではなく、都会のど真ん中」
なるワークブーツの昨今の傾向に見事に対応した、このジュエルのブーツクリーム。これまでのその種の靴向けのケア用品に比べ、確かにツヤはハッキリと出るものの、ミンクオイルが含有されているせいか、その輝きは通常の乳化性靴クリームに比べ気持ち重厚な印象に仕上がるのが特徴で、その辺りはオイルドレザー本来の特性を損なわない配慮が細かくなされています。また、浸透力が強い割に使用後革の色が一気に黒ずんだりすることもないので、例えば薄茶色系の色合いのものを、ゆっくり時間を掛けて色を落ち着かせたい際にも安心して用いる事ができます。
よってこの特性、ワークブーツにばかり独占させるのはもったいないぞ! 折角ですので、ややカジュアル寄りのドレスシューズにも存分に使ってしまいましょう! 例えば、オイルドレザーではないにも関わらず雨に強いアッパーと評判のフランスのParabootのスムースレザーとは、このクリームは非常に相性が良く、その性能を最大限に引き出してくれます。しかもお手入れの手順はいつもの通りで全く問題ないので、その点でも安心して使えますよ。
更にお勧めなのが”C Shade” と呼ばれるイギリスの靴メーカー・Tricker’sを代表するアッパーのお手入れに際してです。同社の靴に用いられる他の革よりも分厚く、兎に角丈夫なこのオレンジブラウンのアッパーは、鞣しの仕上げ剤の影響なのか、特に履き始めの段階で通常の乳化性靴クリームが表面を滑るだけで革の内部に浸透し難い為、お手入れに意外と手間取ると言う声を聞きがちなのですが、浸透力の強いこのクリームならば比較的容易にケア出来ます。しかも上の写真でお解りの通り、一般的な無色の靴クリームに比べ出るツヤに一種の「重量感」が加わるので、この革本来の性格と完全に一致する仕上がりになるのです。クリーナーとこのクリームだけでお手入れし続けると、相当カッコイイ経年変化をさせられるのではないかな?
と言うことでこのジュエルのブーツクリームは、単にオイルドレザー向けの画期的な商品以上の存在のような気がしてなりません。このページでお話ししたもの以外でも、着眼点次第で使える場が更に広がる可能性も大です。やや分厚目のアッパーを持つ靴を、いかにも「味出ししました!」的にわざとらしくではなく、何気なく骨太に育てて行きたい時、このクリームは間違いなく新たな必需品になりますよ!
【関連サイト】
株式会社ジュエル/ブーツ メンテナンスマニュアル
オレンジヒール(通販ですとここから購入出来ます) ジュエル ブーツクリーム