古典性と流行が巧みに交錯した一足!
ダブルブレストのスタイルにしたのがミソの、ボタンアップシューズです。黒に近い濃紺とグレーヌバックの異素材コンビ仕様は、現代だからこそ汎用性が広いのでは? |
●飯野の「あっ!」
古典的な靴の代表選手とも申せるボタンアップシューズです。ただしダブルブレスト仕様としたのが大きな特徴! この春はジャケットの世界でも、ダブルブレストが久々に注目されるようですし、製作者の真摯さと視野の広さを感じさせてくれた一足です。縫製も大変丁寧で、実は大変な労力を要する「ボタンホール糸の革への縫い付け」も難なくこなしていたのは、特に嬉しい驚きでした。ウェストの鋭い絞り込みやヒール周りのコンパクトな造形は、山口千尋氏の門下生であることの何よりもの証明でしょう。
いかがでしたでしょうか? 今年の作品はラウンドトウの靴やアウトドア系の靴など、この学校のこれまでの卒展とは趣が異なるものも多くなり、時代が確実に動いていることを実感しました。本当はもっと作品をお見せしたかったのですが、紙面の都合で3足のみとせざるを得なかったことを、何卒お許し願います。製作した皆さんが今後、日本の靴の世界でその能力を大いに発揮してくれることを期待しましょう!
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上の靴を後側からアップしてみました。フワッと流れる曲線や丁寧かつコンパクトな造形は、山口千尋氏の門下生らしい仕上がりです。 |