美しさの秘訣は、修理専用の木型!
汎用木型やシューツリーを用いる場合が多い中、RESH.ではオールソールリペア用にイギリス靴の代表的な木型を基にした修理専用ラストを新開発。この靴にも隙間なく、文字通りぴったり収まっているのがお解りいただけるでしょう。その効果はアッパーの型崩れ防止だけに留まりません。 |
靴のアウトソールとヒール双方を交換する通称「オールソールリペア」を、靴メーカーの純正修理ではなくリペアショップに頼んだ人の中には、修理後に靴のシェイプが相当変化してしまい、以前より履き心地が悪化した残念な経験を持つ方もいらっしゃるのでは? それは単に修理職人さんの腕前や、使った部材の良し悪しだけが原因ではありません。この種の店でのオールソールリペアでは、靴の中に既存の汎用木型や市販のシューツリーを入れて行われる場合がこれまで専らで、それゆえ言わば「修理中にその靴本来の形状を保てなかった」ことが原因の場合も、結構多いようなのです。
上記のような問題を根本的に解決すべく、RESH.では日本橋三越にインショップを構えるのを機に、この業界では極めて画期的な方式を導入しました。即ち、リペアのために最適化した「修理専用ラスト」を代表的な靴メーカーの木型毎に新開発し、それを用いてオールソールリペアを行うことにしたのです。手始めに目下RESH.で修理実績の多いイギリス靴の代表的な木型のEウィズに適応したもので、それぞれUK6から9までハーフサイズ毎に揃えてこのサービスが始まりました。より具体的にはEdward Greenの現行202と82向けに、それぞれ別々に開発したもの等からスタートし、2009年の10月下旬頃にはCrockett & Jonesの337と348の各木型に対応したものが加わる予定です。
これを用いてオールソールリペアを行うと、やはり仕上がりには格段の差が現れるようで、例えばこのような優れた点が出てまいります。
1.修理中のアッパーのシェイプや材質の保持が容易になり、細かい所ではくるぶし周りのトップラインが歪むこともなくなる。
2.修理中にインソール下部とアッパー、ライニングそれにウェルト(細革)を接合する「掬い縫い」が緩まなくなり、履き込んだフットプリントも含めてインソールの形状が保持し易くなる。
3.シャンク(土踏まず部のインソールとアウトソールの間に内蔵される、靴の背骨的な補強芯)が修理中にズレや歪みを起こさなくなり、それらが原因で修理後発生することがある「不快な音」も鳴り難くなる。
4.イギリス製の靴の一大特徴である「アウトソール接地面の丸み」をしっかり復元できるようになり、その側面も波打たせずに仕上げることが容易になる。
この「修理専用ラスト」は、今後も種類を少しずつ増やして行くそうですが、個人的には「中庸な長さのセミスクエアトウ」に対応したものを、もう一種類加えていただけると尚更嬉しい! どのメーカーのどのラストがベストか、コアな読者ならもう思い浮かぶでしょう。標準ウィズがEではなくFで、創業年の下2桁に因んで名付けられた……
イギリス靴ならではの特徴である「アウトソール接地面の丸み」。これも修理専用木型を用いることで、文字通り新品同様に再現することが可能です。側面のシャープな仕上がりにもご注目あれ! |
使用木型以外にもRESH.だから取り揃えられたもの、まだまだございます。詳しくは次のページへ!