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靴紐について、深く考えてみる! その1(2ページ目)

今回の「メンズシューズ基礎徹底講座」では、靴紐について考察します。日頃何気なく使い、消耗すれば当たり前のように交換するものですが、これ次第で靴の履き心地が結構変わってしまう、奥深いパーツなのです。

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

まずは長さが肝心です!

最適な長さ
靴紐を選ぶ際に最初にチェックしなくてはいけない点、それは長さです。短過ぎても長過ぎても役に立たないので、鳩目を通し終わったら靴紐が約20cm~25cm位出せるものを目安に選んで下さい。


靴のフィット感を調節し、足のグラつきを防ぎ快適な歩行をサポートするだけでなく、靴に余計なダメージを与えないのにも一役買っている靴紐。ドレスシューズ用、ワークブーツ用、スニーカー用など靴の種類により様々なものが売られていますが、選ぶ際にはどれにも共通の、絶対に外してはいけない条件があります。形状だ加工方法だも確かに大切なのですが、まずそれを最初にお話ししないといけませんよね。

それは「その靴に適当な長さのものを選ぶ」こと、まあ、言われてみれば至極当然のことです。靴の種類や足の形状にもよりますが、一般的には靴紐を鳩目に順番に通していって、一番足首寄りの鳩目を通し終えた時点で、外くるぶし側・内くるぶし側共に靴紐が鳩目の先端から約20cm~25cm位出ている状態が理想です。これより短いと、当たり前ですがそれを蝶結びするのに無理が生じてまいりますし、これよりも長いと蝶結びした後の見栄えのバランスが悪くなるばかりでなく、歩行中に靴紐の先端を踏んづけてしまい、靴紐が解けてしまう危険が生じ得るのです。ドレスシューズの場合、鳩目間の横幅や開き具合等から多少影響は受けるものの、最適な靴紐の長さは鳩目の数と比例関係にあるので、以下ご参考になされてみてください。

・鳩目の数が2対 → 約50cm~60cm
・鳩目の数が3対 → 約55cm~65cm
・鳩目の数が4対 → 約60cm~70cm
・鳩目の数が5対 → 約65cm~75cm
・鳩目の数が6対 → 約70cm~80cm

短いのはともかく、実は昨今、必要以上に長い靴紐が付いて売られている靴をドレスシューズのジャンルでも巷で結構見掛けます。ある時この件をとある国内の靴メーカーの方にお伺いしたのですが、
・靴紐の種類を何種類も用意すると、その分製造原価が高くなるので、「大は小を兼ねる」の発想で長いものに一本化せざるを得ない。
・足に本当に合っているか否かはともかく、日本では3Eなど幅広の靴に対する需要が依然として高いので、その靴に合わせるべく靴紐も長目のものが好まれる傾向にある。
・本来行われるべき「脱ぎ履きに応じて靴紐を解く・結ぶ」習慣が、日本では依然として定着せず、靴紐を結びっぱなしでかつある程度緩い状態のままで履かれる場合が多いので、靴紐もそれに都合の良い長目のものが好まれる傾向にある。
等がその理由に挙げられるそうです。どれも日本人の靴への意識が端的に表れているようで、ちょっと考えさせられますなぁ……


次のページは、ほとんど意識されないけれど、靴紐を考えるのには絶対欠かせないことについて!
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