お買い得感に優れたモデルが登場
以前ご紹介したジオグラフィーの内羽根式ストレートチップです。既製品は\33,600(税込み)。このアッパーに用いられているものと全く同じボックスカーフが、価格も\50,400(税込み)~と大変お買い得に、オーダーでも使えるようになりました。 |
丁度昨年、2008年の今頃、新しいけど極めて伝統的なモデルをご紹介したジオグラフィー(GEOGRAPHY)(店舗名は「ジオグラフィー リビング(GEOGRAPHY Living)」)。オーダーとしてはリーズナブルな価格設定であるだけでなく、左右別サイズの製作や既存木型の微調整にも追加料金が掛からない良心的な姿勢で、既に顧客の心をガッチリ捕らえているこの店。先日もメンズファッション・倉野さんのこの記事のように、靴好きの永遠の憧れとも申せるイギリス・J&F J Baker社製のレザーアウトソールも装着可能になったとの新たな話題を提供してくれています。
小生の方はもうちょっとお買い得な話題を、今回はご提供致しましょう! このブランドのオーダーの更なる特色に、主にヨーロッパから取り寄せた様々な「優良な革」をアッパーに選べる点が挙げられるのですが、今回それに新たな革が加わったのです。以前の記事の最後にチラッとご紹介した、既製品の内羽根式ストレートチップに使われている、原皮がスイス産で鞣し・仕上げを国内で施したボックスカーフです。
上記の既製品を見たお客様から「実は、この革でオーダーしてみたいのだけど……」等のリクエストが多数寄せられたため、オーダーにも解禁に踏み切ったとのこと。確かにキメの細かさや肌触りは、デュプイやアノネイ等靴好きに人気のフレンチボックスカーフに比べ僅かに劣りますが、劇的な差がある訳でもなく、むしろこちらの方が普段使いにはもってこいの品質かも知れません。色も既製品で用意されている黒とミディアムブラウン以外に、オーダーではバーガンディとダークブラウンが加わり、選択の幅を広げてくれています。
ソールをシングルレザー・オープントラック(底面に出し縫いの糸が見える)のスタンダード仕様にすれば、税込み5万400円からと従来よりもいっそうお値打ちになった価格も、このご時世だからこそ魅力的! インポート品のみならず、今日では国産の既製靴でもこれ以上の価格帯のものも登場していますし、この値段ならば、例えば靴のオーダーが初めての方、一般的な既製靴の履き心地にどうも馴染めない方でも、無理なく気負わず試すことができるのではないでしょうか。納期こそ注文から約1.5ヵ月から2ヵ月と多少掛かるものの、このボックスカーフで仕立てたもの、実はこの世に存在する紳士靴の中で、「足に本当にフィットする」を最短距離で捉えられる靴かも知れませんよ!
今回登場した「スイス産原皮を国内で鞣し・仕上げた」ボックスカーフの見本です。永遠普遍の黒だけでなく、茶系もバーガンディ・ダークブラウンそれにミディアムブラウンと選べてしまうのが嬉しい! |
ジオグラフィーで最近ラインナップに加わった、内羽根式アデレイドフルブローグです。この写真の靴自体は、アッパーがスエードなのでソールを上記のスタンダード仕様にすると価格が\63,000(税込み)となりますが、上の写真のボックスカーフを用いてのオーダーも、勿論可能です。 |
次のページでは、ジオグラフィーの靴が最近凝っている、「ある部分」について、まずは基礎的な解説から!