見た目は重いが、持つと驚愕の軽さ!
貴重な馬革・バトックを用いた、ウォームスクラフツ(Warmthcrafts)のブリーフケースです。極めて伝統的な顔立ちですが、いざ持つと驚くほど軽い! その重さゆえブライドルレザーのカバンを敬遠されていた方でも、これなら納得できるはずです。 |
最後にご紹介するのは、靴ではなくてカバン。一見、極めて重厚かつ伝統的な面持ちのブリーフケースで、どこが凄いなどと言えそうにないのですが、製造元が「新喜皮革」と聞けば、このカバンの特徴が解る人にはもう解ってしまうかもしれません。コードヴァンを鞣せることで世界的にも希少な存在であるこのタンナーが、オリジナルブランドであるウォームスクラフツ(Warmthcrafts)の名で発表した、馬革のブリーフケースなのです。
馬革と申しても、このカバンに用いられているのは皆さんご存じのコードヴァンではなく、同じ臀部から採れる「バトック」と呼ばれる革です。以前お話しした通り、コードヴァンは馬の臀部の革の肉側を削って出てくる面、つまり「生きている時には内側を向いている面」を表面として用いるものの、それに相応しい緻密な層が出てくるか否かは、一枚一枚の原皮により状況が大きく異なり、いざ実際に革に鞣してからでないと判別できません。「バトック」はその層が相対的に小さいと判断されたものの裏面を削り出さず、銀面つまり「生きている時には外側を向いている面」を素直に表面として仕上げを施した馬革で、ある意味コードヴァン以上に貴重な存在なのです。
「バトック」は削り出しを行わない分大きさと厚みがしっかり残るため、靴ではなくカバンに相応しい革になり、下の写真にあるようにライニングを張らなくても十分な強度を保てるのが一大特徴。また丈夫さだけでなく、独特の「生きシワ(トラ)」と手染めの着色も相まって、持ち主に「ガンガン、でも大切に使ってあげよう!」と思わせるものがビシビシと伝わってくる、今時大変貴重なカバンに仕上がりました。しかも驚くほど軽い!! ブライドルレザーを用いたトラディショナルなブリーフケースに憧れつつも、あの重さゆえついついナイロン製のカバンでお茶を濁されていた方、見た目の重厚感と実際の軽さが見事に融合したこれならば、暑い夏時の持ち出しも全く苦になりませんよ!
【Warmthcrafts/ブリーフケース】
■色・素材 : ブラウン(バトック)
■サイズ : 縦28CM*横43CM*マチ最大10CM
■価格 : \147,000(税込み)
いかがでしたでしょうか?今回ご紹介した靴やカバンのみならず、ワールド フットウェア ギャラリーにはイタリアをはじめスペインやイギリス、それに日本のファクトリーに別注を掛けた、様々な要素が高度に融合した品々が、所狭しと並んでいます。各メーカーの隠れた美点を現代に見合った形で引き出してしまう点では、東京の靴店としてはピカイチの存在で、訪れるたびに「なるほど!」と思わせてくれる商品との出会いが、必ず起きてしまう場所でもあります。これからの時季に履く靴をお探しの読者の皆さん、是非一度訪れてみて「そうか、この手があったのか!」を実感されてみて下さい!
【お問合せ先】
■ワールド フットウェア ギャラリー 神宮前店
住所:〒151-0001 東京都渋谷区神宮前2-17-6
地図: Yahoo!地図情報
Tel:03-3423-2021(直通)
営業時間:11:00~22:00 年中無休
HP:World Footwear Gallery’s Web Site
他店についての情報は、こちら
ブリーフケースの内部です。厚みが十分にある馬革を用いているので、強度が十分に出てライニングを張る必要がありません。作りにも手抜きが全くないのは、流石日本の職人技! |