伝説のブランドが、進化・深化して復活!
Shetland Foxの靴を真正面から撮ってみました。つま先・アウトソール・甲周り…… どこも絶妙なカーブの連続です。木型による造形の差こそあれ、これはどのシリーズでも共通の特徴です。 |
靴の業界に長年携わっていらっしゃるとある方から、その情報が入ったのは、2008年の夏の後半だったと記憶しています。
「REGALの上級ブランドが、Johnston & Murphyのライセンス生産から、次の春辺りからどうやら変わるみたい」
「土踏まずの形状とか、アメリカの本国もの以上にずーっと研究されていたから、なるほど、遂に晴れて独り立ちじゃないですか。で、ブランド名はどうなるんでしょう? ひょっとして……」
「そう、その『ひょっとして』。飯野さんが若い頃、欲しくて欲しくて『悶え苦しんだ』 、あれ」
Shetland Fox(シェットランドフォックス)…… 「イギリスの靴にどこまで迫れるか?」を合言葉に、1980年代に日本製靴(現リーガルコーポレーション)が敢えてREGALのブランド名を外し、靴自体はもちろん箱やシューバッグに至るまで超英国調に仕上げた靴にのみその名が授けられた、あの幻のブランドが本格的に復活する…… 話を伺ってから一体どうなることかとワクワクそのものでしたが、漸くその全貌が明らかになってまいりました。
全体的な結論を最初に申し上げてしまうと、今回復活したこのブランドは、以前のように単にイギリスばかりを向いているわけではなく、もっと世界を足元から広く・深く見ているのが大きな特徴です! 基本ポリシーは
「日本人に本当の意味で適合した高度なフィット感を、あくまで既製靴の範疇で提供する」
の一言に尽きます。このページの写真でもお解りのとおり、例えば木型の造形は複雑な曲面の連続で、甲周りも峰をやや内側にずらし外くるぶし側を思いっきり削るなど、従来の日本の既製靴からは確実に深化し、イギリス・イタリア・アメリカそれにフランスなどの靴に既に慣れ親しんでいる層にも、
「さすが解っている、もっと凄い!」
と思わせる着用感を目指したものになっています。職人さんが製造現場で悲鳴を上げているのが容易に想像できる、極めて多面的な造形です。
ということで今回は、近年の日本人の嗜好や足型の大変化を反映した上でREGALが総力を結集し復活させたShetland Foxをドーンと特集致します。このブランド、実はスタイルや設計ポリシー毎に様々なシリーズがあるのも特徴の一つでして、以下のページでそれらを個々に紹介してゆきますから、ご期待アレ!
Shetland Foxの靴を真上から撮ってみました。足の形状や動きに合わせ、各ポジションでベクトルが微妙に様々な方向に向かっているのがお解りかと思います。これは作るのが大変そうです! |
次のページでは、まず、フラッグシップシリーズをご紹介!