正常な進化を忘れていない、真っ当な伝統!
BOSTON CLOTHIERとSCOTCH GRAINのダブルネームの外羽根式ロングウィングチップです。ダブルソールや360度ストームウェルトなど、ディテールはお約束どおり。ミディアムブラウンのスコッチグレインカーフは、ありそうで実は巷で全く見かけない逸品です。 |
2009年4月4日(土)、巷にはびこるアメトラもどきの装いに喝を入れるべく、横田基地の町・福生に「土日のみ営業」と言う、なんともユニークなお店が誕生します。その名はBOSTON CLOTHIER(ボストンクロージャー)。昔からの服好きなら、その名を聞けばオリジンはどこなのか、たちまち想像が付くかと思いますが、詳しい説明はとりあえず後回しにして、小生はAllAboutでは「紳士靴」のガイドですので、まずはこの店に置かれる超・限定版の靴をご紹介してまいりましょう。
それはズバリ上の写真、日本のビジネスマンの足元を支え続けるSCOTCH GRAINに別注した、外羽根式ロングウィングチップです。ユーザーの嗜好の変化もあって、このブランドでは今日もはやこの種のモデルを一般向けには作らなくなったのですが、さすがに長年作り続けていただけありデザインは秀逸、いい加減な「遊び心」に逃げていないのが嬉しいの一言です。
トウの先端を高めかつ垂直気味に立ち上げ、そのまま甲にまで抜けてゆく前半分のシルエットは、かつてのアメリカ靴に暫し見られたものの一つ。SCOTCH GRAINではこのモデルでの採用が初めてで、ここのかつての製品より様式美を更に本格的に突き詰めているわけで、超・限定版だけのことはあります。
とは申しても、木型自体は長からず短からず、メリハリはありながらもクセの無いものですので、履く人の足をあまり選ばず、しかも長く愛用できるのが魅力です。幅の表記こそEEEですが、実際にはあまり太さを感じさせず(ボールジョイント部が僅かに高いかな? 程度)、実質の日本のEE=イギリス靴のEとほぼ同程度と考えていただいて結構です。昨今のSCOTCH GRAINは「かかとの喰いつき」が著しく改善されているのですが、BOSTON CLOTHIER向けのこのモデルでもその辺りはきちんと進化させていますので、その点も何卒ご安心下さい。
この靴の特徴が端的に示されている「側面」です。トウの先端を高めにかつ垂直気味に立ち上がり甲にまで抜けてゆくシルエットは、かつてのアメリカ靴の必勝パターンの一つですが、今も全く色褪せて見えないのが嬉しい! |
この靴は木型やシルエットだけではなく、アッパーの革質も秀逸! 詳しくは次のページで!