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スコッチグレイン 2008年秋冬の新作!(3ページ目)

日本のビジネスマンの足元をしっかり支え続けるスコッチグレイン。2008年秋冬の新作は、ドラディショナルな主軸は十分守ったまま、「流行以上の創造性」も表現された意欲作が勢揃いしています!

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

深く輝く黒は、正々堂々のモデルで味わいたい!

ブラックストレートチップ
スコッチグレインの新作の内羽根式ストレートチップです。近年良品が少なくなっている感のある黒のボックスカーフを贅沢に用いた、細い足の持ち主には待望の逸品です。価格が決して高過ぎないのも嬉しい点です。


「不安定な世の中だからこそ、浮気心の起きにくい良質な靴が欲しい……」「流行だからではなく 、足の形がそうだから細身の靴を探しているのだけれど……」そのような方に絶対お勧めなのが、インペリアル・ブラックシリーズの内羽根式ストレートチップです。正に「底光り」の表現が相応しいアッパーにどうしても最初に目が行ってしまいますが、これは品質に近年ますます磨きが掛かっているフランスのタンナー・アノネイ社から供給されたもの。しかもスコッチグレインのために新開発された、その名も「キャンシーボックスカーフ」と呼ばれる革です。

ボックスカーフとは、クロムによる鞣しを極短時間で行いタンパク質系の仕上げ剤で表面を美しく処理したカーフのスムースレザーのこと。柔らかさと色の入り具合、それにキメの細かさが群を抜いているがゆえ、かつては箱に詰められて輸送していたのが名前の由来の一つとも言われるこの革ですが、近年はどの靴メーカーでも良質のモノが入手しづらくなっているのが実情です。しかし、革質の妥協の無さでは長年定評のあるスコッチグレインの謙虚で真摯な姿勢にアノネイ社が深く共感し、品質の源になっている地元に流れる川の名を冠した上で、彼らのために新たにこの革を開発してくれたのです。

また、この靴には2ページ目のモデルで使われたもののトウシェイプを更に削ぎ落とし、このメーカー史上最も細く・薄い木型を用いているのも大きな特徴です。これまでの典型的な日本人とは打って変わり、急激に細くかつ薄くなりだした1970年代以降生まれのビジネスマンの足を想定しているわけです。3Eウィズだったこれまでのスコッチグレインのインペリアルシリーズとは、甲の高さや幅の差が歴然としているのが、下の写真からもご理解いただけるでしょう。なお、従来のインペリアルシリーズも引き続き販売してくれているのが、このメーカーの良心的なところ。甲高幅広の方はご安心あれ!

底材には高品質なイタリア産のタンニン鞣しのものを用いた上で、接地面を全て黒くした「カラス仕上げ」を採用し、とことん「黒」を堪能できるよう配慮されています。またその側面にはΛ字状に処理した「ヤハズ仕上げ」が施され、視覚的にもスリムなバランスが崩れないよう工夫されている点も見逃せません。スタイルがスタイルですので冠婚葬祭にこそ大正解の靴ですが、ここまで端正な靴だと、たとえそうではない冬晴れの何気ない一日であっても、身を引き締めて颯爽と履いてあげたいですね。

【SCOTCH GRAIN/IMPERIAL-BLACK No.946】
■色 : 黒
■アッパー素材 : キャンシーボックスカーフ(フランス・アノネイ製)
■サイズ : 23.5~27.5 0.5サイズ刻み。 いずれもEウィズ
■価格 : \47,250(税込み)
■付属品 : 木製シューズキーパー付き

従来のものとの比較
向かって左が従来のインペリアル、右が新作のこのインペリアル・ブラックです。甲からつま先にかけての高さと幅の違いが一目瞭然。一方に無理矢理集約させず双方のモデルが発売されているのも、スコッチグレインの大きな魅力です。



カラス仕上げ
このメーカーではお馴染みの、つま先だけを硬質ラバーとした「トップゴムレザーソール」です。擦り足が多い日本人向けに独自に開発したものですが、このインペリアル・ブラックシリーズではレザー部分も黒く着色した「カラス仕上げ」が施されています。




羨ましくも「今年は頑張って良い仕事が出来たので、確かに不景気だけどご褒美に奮発して、革質と美的感覚に突出した靴が欲しい!」と仰る方、迷わず最後のページへ!
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