底面もさらに進化!
ガジアーノ&ガーリングのドレスシューズの底面です。土踏まず周辺が思いっきり絞り込まれているだけでなく、中央部は一本筋が通るが如く綺麗に面取りされていますよね。見栄えと履き心地が高次元に両立できている、正に底力溢れる仕様! |
カントリーシューズが加わっただけではありません。ガジアーノ&ガーリングの真骨頂である街用のドレスシューズのディテールも、この秋から更に磨きのかかったものにバージョンアップしています。これらの靴の大まかな特徴は以前のこの記事とこの記事をご覧頂きたいのですが(飯野註:ただし日本では現在取り扱われていない靴も掲載してあります)、この秋からは特に底面の作りこみが、また一歩誂え靴に近付いてきているのです。
具体的には、まず上の写真のような土踏まず部。足の縦のアーチに沿うように思いっきり絞り込んでいるだけでなく、中央部はまるでバイオリンの背面のように左右方向に美しく面取りされていますよね。この仕様を「フィドルバック(Fiddle Back)」と呼ぶのですが、見栄えは抜群に良くなるものの作りこみが大変なので、既製靴では滅多にお目に掛かれません。土踏まず部が細くなる分、その部分のサポート力補充も若干期待できる、正に縁の下を支える仕様です。
更にはヒールの据え付け方。下の写真をご覧いただきたい! イギリスの誂え靴に暫し見られるのですが、ソールとのコバ側面の接点を敢えて連続的にはせず「被さる」ように段差を設けて設置する仕様に、シングルソールのドレスシューズはこの秋から変更になっています。正直この部分は、靴の性能の良し悪しには直接は関わらない領域なのですが、細かいところまで徹底的に突き詰めていこうとする、このブランドの心意気が伝わってくるではありませんか!
いかがでしたでしょうか? ブランド立ち上げこそ2006年とまだ若いものの、ドレスシューズであれこの度登場したカントリーシューズであれ、今日イギリスと言う国やその製品から消失してしまった「向上心」を、まだ素直に感じさせてくれるのが、このガジアーノ&ガーリングの靴の魅力の一つでしょう。伝統的な風貌でありながら古臭さを微塵も感じさせず、様々な履き手に自然に溶け込み、その真の「個性」を引き立ててくれるという意味でも、表面的かつ装飾的なデザイン最重視でかえって履き手の個性を下品な方に蹴落としている昨今のメンズシューズの潮流にあっては、本当に貴重な存在です。確かにいい値段はしますが、それだけの価値をきちんと持った靴であることは間違いありません。2008年の秋からは、今まで以上にお目に掛かれるお店が増えるとのことですので、皆さん「いつかは欲しい!」と思いながら、まずはお店でチェックされてみてください!
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■ FONTAINE BLEAU (フォンテンブロー)
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内くるぶしの側から底面をアップしてみました。ソールとのコバ側面の接点を連続的にせず、敢えて「被さる」ように段差を設け据え付けたヒールは、イギリスの誂え靴に暫し見られる仕様です。既製靴でここまで再現させるとは、恐れ入った! |