これなら、仕事の時にも履ける!
銀座ヨシノヤの外羽根式Vフロントです。この落ち着いた顔立ちなら、堅めのご職業の方でもお仕事で無理なく履けるでしょう。色:黒・ブラウン(いずれもキップ・スムースレザー&イントレチアート)。サイズ:24.0~26.5 EEE。価格:\48,300(税込み) 銀座ヨシノヤ |
2008年の4月の終わりに、「イントレチアートレザーの革靴をケアする!」という記事を掲載しましたところ、予想外に多くの反響がありました。そのほとんどが、
「イントレチアートの靴そのものには興味があるけど、今売られている商品のほとんどが、古臭過ぎるかギョーカイ臭過ぎるかの両極端で…… 応用の利きそうな『普通のもの』、どこかに売っていませんか?」
といったもの。なかなか鋭いご指摘! 皮肉なことにファッションの世界にどっぷり浸かっている方ほど全く気付けないでいるけれど(自らも真には理解できていない曖昧な表現でのみ、装いを「覆い隠そうとしているだけ」だから)、靴に限らず「普通」が今や一番貴重で、それゆえ一番個性的なものになっていることを、皆さんはちゃんと感づいていらっしゃる。
で、暇を見ては色々チェックしてみたのですが、ようやく「おっ!」というものを見付けたので、せっかくですから今回はそれを記事にしたいと思います。発見したのは九分仕立ての靴を以前とりあげた、銀座ヨシノヤ。このページの上下にある外羽根式Vフロントとシングルモンクストラップです。これならグレーや紺地のダークスーツにはもちろんのこと、綿ポプリンや麻でできた盛夏向けのジャケットやジーンズなどとも誰にでも違和感なく、それこそ「普通に」合わせられるはずです。
どちらの靴とも全く奇をてらったデザインではなく、トウシェイプは長さも極めて中庸な、王道のアーモンドトウ。黒は国産、茶系は色の冴えで定評のあるイタリアのイルチア社のものと、アッパーは同じキップレザーでも色により供給先を敢えて替え、革としての透明感を重視しました。確かにどの色も、ちゃんとお手入れすれば見事な経年変化を起こしそう。この種のメッシュレザーの靴で「育つ」感覚が味わえるのは、実は貴重です。
底付けはカエリの良いマッケイ製法で、イタリア・ビブラム社製の合成アウトソールを採用しています。「革底じゃないの?」と疑問に思われる方もいるかもしれませんが、オールソール交換も可能ですし、夏場につきものの突然の通り雨などを考えると、スリップし難い合成底の方が理にかなっているでしょう。また、このソールのお陰で25.0cmのもので片足約300g前後と、レザースニーカー並みの軽さも実現できたのも魅力です。因みに同社の同じサイズのもので、マッケイ製法のレザーソールのもので片足約360g、九分仕立てのもので410g弱とのことで、この差は特に猛暑の時の歩行感にプラスに働くのではないでしょうか?
惜しむらくはこの靴、幅がEEEなんですよねぇー。銀座ヨシノヤの古くからのファンの方には、確かにこの幅がベストでしょうが、「ありそうでない」せっかくの素晴らしい発想の靴ですから、小生以下の世代向けにE、せめてEE幅のものも今後出していただきたい!!
銀座ヨシノヤのシングルモンクストラップです。ダークブラウンのこの靴が一番人気とのこと。確かにパナマ帽と合わせて履きたくなる一足です! 色:黒・ダークブラウン(いずれもキップ・スムースレザー&イントレチアート)。サイズ:24.0~26.5 EEE。価格:\48,300(税込み) 銀座ヨシノヤ |
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