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革靴の靴紐の通し方4選!履き心地や表情が変わる通し方

靴紐の通し方について、メンズシューズや革靴で使える代表的な4種類を解説します。靴紐は通し方によって、見栄えだけでなくなにより履き心地が大きく変化します。自分の足や靴と相性の良い紐の通し方を、改めてチェックしてみましょう!

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

革靴の靴紐の通し方……見た目の表情や履き心地が変わる!

靴紐の通し方を解説!
この靴はドレスシューズでは最も一般的な「パラレル」という通し方をしています。が、靴紐の結びはこれだけではありません。
メンズのドレスシューズの主役といえるレースアップ、すなわち靴紐を結んで履く靴の主要なスタイル。それぞれの特徴が掴めてくると、「その靴を履くのに最も相応しい場」も自然に設定できることをご理解いただけると考えております。

今回は、その靴紐の「通し方」について、ちょっと追求してみたいと思います。これにより変化するのは、単に見栄えだけではありません。既にスポーツシューズの世界では常識となっていますが、これ次第で足へのフィット感も大分変わりますので、上手に活用されてみてください。

今回はドレスシューズにおける基本的な通し方を4つご紹介いたしますが、できるだけ簡潔に記したいため、予め表記を以下のように統一いたしますので、何卒ご理解いただければと思います。

A・B・C・D・E
今回は鳩目の横列が5穴の靴をサンプルとしましたので、一番つま先寄りの鳩目を「A」、それ以降甲を上って行くにしたがい「B」「C」「D」とし、一番足首寄りの鳩目を「E」と記します。

内・外
内踝側の鳩目を「内」、外踝側の鳩目を「外」と記します。

下通し・上通し
鳩目の上部から下部に向かって紐を通すことを「下通し」、逆に鳩目の下部から上部に向かって紐を通すことを「上通し」と記します。

具体的には「B外」から「B内」に下通しなどと表現します。
 
<目次>
 

靴紐の通し方1:基本の「パラレル」

まず最初に、ドレスシューズでは最も基本的な紐の通し方である「パラレル」を見てゆきましょう。鳩目の横列の間を、靴紐が千鳥状に平行に行き交うので、この名が付きました。

1:まず靴紐の一方の端を「A内」に下通しし、それを「B外」に上通しします。鳩目の横列が5列や3列などの奇数になる靴の場合、この段階で靴紐の両端の長さを揃えておくと、内踝側・外踝側に最終的に出てくる靴紐の長さが揃えやすくなります。
パラレル1

パラレル1

2:靴紐のもう一方の端を「A外」に下通しし、それをさらに「C内」に上通しします。
パラレル2

パラレル2

3:1の靴紐を「B内」に下通しし、それをさらに「D外」に上通しします。
パラレル3

パラレル3

4:2の靴紐を「C外」に下通しし、それをさらに「E内」に上通しします。
パラレル4

パラレル4

5:3の靴紐を「D内」に下通しし、それをさらに「E外」に上通しし、完成です。
パラレル5

パラレル5

「パラレル」は見た目にきれいなだけでなく、内踝側・外踝側双方からほぼ均等に圧力がかかるため、締まりも良く緩みにくい通し方でもあります。紐をどう通そうか迷った際は、とりあえずこれを試した上で、フィット感などの様子を見てゆきましょう。
P完成系
「パラレル」はどのようなスタイルにも無難にまとまる通し方です。
 

靴紐の通し方2:洗練された印象の「シングル」

次に、最も洗練されていると言われている紐の通し方、「シングル」を見てゆきましょう。鳩目の横列の間を靴紐が見た目に平行に行き交うのは「パラレル」と同じですが…… 違いは以下でご確認あれ!

1:まず靴紐の一方の端を「A内」に下通しし、それをいきなり「E外」に上通しします。
シングル1

シングル1

2:靴紐のもう一方の端を「A外」に下通しし、それをさらに「B内」に上通しします。
シングル2

シングル2

3:2の靴紐を「B外」に下通しし、それをさらに「C内」に上通しします。
シングル3

シングル3

4:3の靴紐を「C外」に下通しし、それをさらに「D内」に上通しします。
シングル4

シングル4

5:4の靴紐を「D外」に下通しし、それをさらに「E内」に上通しして完成です。
シングル5

シングル5

「シングル」は見た目に非常にきれいで、靴の表面に紐の厚みが最も出ない通し方です。ただし、内踝側・外踝側双方からの圧力が不均衡にかかるため緩みやすく、また、内踝側・外踝側に最終的に出てくる靴紐の長さが揃えにくいのも難点です。
S完成系
「シングル」は見た目が良いので、内羽根式のキャップトウのようなフォーマル度の高い靴に向いた通し方です。
 

靴紐の通し方3:緩みにくい「オーヴァーラップ」

次にご紹介するのは、「オーヴァーラップ」という紐の通し方です。つま先から見て、靴紐がV字状に並ぶのが特徴です。一番足首寄りの鳩目以外は「下通し」ばかり、すなわち上から下に靴紐がかぶさるので「オーヴァー」なわけです。

1:まず靴紐の一方の端を「A内」に下通しし、もう一方の端を「A外」に下通しします。
オーヴァーラップ1

オーヴァーラップ1

2:1で「A外」に下通ししたほうの靴紐を、「B内」に下通しします。
オーヴァーラップ2

オーヴァーラップ2

3:1で「A内」に下通ししたほうの靴紐を、「B外」に下通しし、それをさらに「C内」に下通しします。
オーヴァーラップ3

オーヴァーラップ3

4:2の靴紐を「C外」に下通しし、それをさらに「D内」に下通しします。
オーヴァーラップ4

オーヴァーラップ4

5:3の靴紐を「D外」に下通しし、それをさらに「E内」に上通しする一方、4の靴紐を「E外」に上通しし、完成です。
オーヴァーラップ5

オーヴァーラップ5

「オーヴァーラップ」は着用時こそ締めにくいのですが、その分着用中も緩みにくく安定感が得られるのが特徴です。また、つま先から足首に掛けて鳩目が広がりやすくなるため、甲高の人にも向いた通し方です。
O完成系
「オーヴァーラップ」はその長所から、ドレスシューズ以上にスポーツシューズで皆さんお馴染みの通し方でしょう。
 

靴紐の通し方4:フィット感最重視「アンダーラップ」

最後にご紹介するのは、「アンダーラップ」という紐の通し方です。つま先から見て、靴紐がΛ字状に並ぶのが特徴です。原則全ての鳩目で「上通し」ばかり、すなわち下から上に靴紐がすくい上げられるので「アンダー」なわけです。

1:まず靴紐の一方の端を「A内」に上通しし、もう一方の端を「A外」に上通しします(ただしどちらも「下通し」する方法も、あります)。
アンダーラップ1

アンダーラップ1

2:1で「A外」に上通ししたほうの靴紐を、「B内」に上通しします。
アンダーラップ2

アンダーラップ2

3:1で「A内」に上通ししたほうの靴紐を、「B外」に上通しし、それをさらに「C内」に上通しします。
アンダーラップ3

アンダーラップ3

4:2の靴紐を「C外」に上通しし、それをさらに「D内」に上通しします。
アンダーラップ4

アンダーラップ4

5:3の靴紐を「D外」に上通しし、それをさらに「E内」に上通しする一方、4の靴紐を「E外」に上通しし、完成です。
アンダーラップ5

アンダーラップ5

「アンダーラップ」は着用時に締めやすく、しかも自然なフィット感を得られやすいのが特徴です。その一方、やや緩みやすい傾向もあるため、甲の形状にちょっと「クセ」がある方や、靴紐の結び直しを面倒くさがらない方向けの通し方です。
U完成系
「アンダーラップ」は、例えばブーツのような足首まで靴紐で固定できる靴との相性も良い通し方です。

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