男の靴・スニーカー/ドレスシューズ

スコッチグレインのゼルビーノシリーズ

日本のビジネスマンの足元を支えるスコッチグレインから、「ゼルビーノ」と言う新シリーズが発売されました。最大の特徴は、恐らく靴史上初めてであろう独特の革質です。靴を「育てる」のが好きな方、必見です!

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

靴史上初めての革質!

ゼルビーノシリーズ
スコッチグレインのゼルビーノシリーズ。モデルは向かって左から内羽根キャップトウ、外羽根Uチップ。内羽根フルブローグの3つ。色は全3モデルとも茶、ベージュ、黒の3色。価格は全て1足\30,450(税込み)。サイズは全モデル23.5cmE~27.0cmE。  スコッチグレイン


11月のある日、せっかく銀座に寄ったのだから覗いてみるか、と、ふと訪れたスコッチグレインの直営店。数多くの律儀な靴の中、ひときわ異彩を放つ1足が目に……。さっそく手にとると、今まで全く触れた経験のない革質に、危うく腰を抜かしそうになりました。
「えっ、こんな革の靴、今まで見たことあったっけ???」
思わずそんな言葉が飛び出てしまった1足が、先日発売されたスコッチグレインのゼルビーノ(ZERVINO)シリーズです。


タンナーとのコラボレーションが、実を結んだ

黒・内羽根フルブローグ
ゼルビーノシリーズの黒です。新品の状態ではご覧の通り、マットな革質です。黒の替え紐が付くので、ビジネス用にももちろん使えます
「ゼルビーノシリーズ」の特徴は、まず何と言っても前述の通り、独特な革質のアッパーでしょう。店頭に並んでいる時点では、しなやかながらも素朴でマットな風合いが強烈に印象に残るこの革は、イタリアのタンナー(革のなめし業者)であるマーベル・ベル社が当初カジュアルシューズ用に開発し、スコッチグレインと共同でドレスシューズ向けに改良した牛革です。

この無垢で優しい風合いは、革の表面をコーティングしていないがゆえに出せるものです。革をなめす際には、大抵の場合、仕上げ工程に塗料を均一に吹き付けたりなどの「お化粧」を施すのですが、この革ではそれを敢えて行っていません。言わば「スッピン」の状態で靴になるわけで、製造中にアッパーを汚さないことがこれを扱える必須条件となります。つまりこの靴は革質のみならず、スコッチグレインの靴製造の高品質の証明とも言えるのです。

ちなみに「ゼルビーノ」とはこの靴のシリーズ名であると同時に、この革そのものの名前でもあります。改良が完成した際、せっかくの共同作業だったので革に名前を付けようということになり、いくつかの候補の中からイタリア語で「伊達男」を意味するこれに決まったそうです。双方の名前に用いられるほど、創造的で充実したコラボレーションだったわけです。

この靴がケアでどう変化するのかは、
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