イギリス靴好きが待ち望んだ、このシェイプ
ガジアーノ&ガーリングの”OXFORD”。イギリスの新たな正統派らしい、品のある顔立ちです。 |
とにかくまず上の写真をご覧いただきたい。少しでも紳士靴に関心がおありの読者の方なら、「さすがビスポーク(誂え)の靴は、カッコ良さの次元が違う……」と思われたのではないでしょうか?
いえいえ、この靴はれっきとしたベンチメイド、つまり大変高級ですが既製靴です。これだけ美しくかつ普遍的なシェイプを既製品で表現できる実力、恐るべしです。製作はこの秋にデビューしたイギリスのブランド、ガジアーノ&ガーリング(GAZIANO & GIRLING)。プロデュースするトニー・ガジアーノ(Tony GAZIANO)とディーン・ガーリング(Dean GIRLING)両氏の姓から名付けられた、イギリス紳士靴界待望の正統派新ブランドです。
グリーン再興の立役者が、晴れて独立
さて、トニー・ガジアーノ氏の名前、少しでも紳士靴に関心がおありの読者の方なら、必ずや一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか? そう、この夏までイギリス靴好きなら誰でも憧れるエドワード グリーンのモデリスト兼ビスポーク責任者をやっていた、あのトニー氏です。3ピーススーツがバッチリ決まったトニーさん。経歴は豊富ですが、まだ30代前半です。 |
彼が以前来日した際、少し話しができる機会があったのですが、「緻密なことにも努力を惜しまない人だな」と大変好印象を持った記憶があります。一番上の写真の靴にも、彼のそんな真面目さと繊細さ双方がしっかり反映されている気がします。
一方、もう一人のプロデューサーであるディーン・ガーリング氏は、イギリスの複数の有名誂え靴店の靴を実際に製作する、その世界では大変有名な職人です。その職務上、今までほとんど表には出てきませんでしたが、彼の作った誂え靴は縫製も履き心地も全く別次元の素晴らしさゆえ、職人の間でも慕われる存在です。
この強力な2人がタッグを組むわけですから、このブランドの今後は既に保障されている、と言っても過言ではないでしょう。
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