男の靴・スニーカー/靴関連情報

イギリスの職人にきく、靴を誂える醍醐味(3ページ目)

再開第一弾は、4月に来日していた誂え靴職人、ジェイソン・エイムズベリー氏へのインタヴューです。誂えの靴には、靴作りや靴選びの基本がぎっしり詰まっているからこそ、価格以上の満足感を与えてくれるのです。

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

スタイル感覚が鋭い日本人顧客

外羽根の型押しレザーシューズ
こちらがチゼルトウの靴です。洗練さと外羽根の靴が本来持つ重厚さとが、見事に共存しています。
ガイド:
日本人の注文の特徴って、何かありますか?

J氏:
まずは足型なのですが、欧米人に比べ踵が小さいです。偏平足ぎみの人や、足の横アーチが崩れた開帳足の方も多いです。

ガイド:
デザイン面での傾向はありますか?

J氏:
つま先では丸みのあるアーモンドトウより、彫刻のノミのようなチゼルトウを選ばれる方が多い気がします。土踏まずの部分を絞り込んでとか、ヒールを小さく、とかリクエストされる方もいます。日本のお客様は靴のディテールの知識が豊富で、そのあたりを事前に考えていただけるので、大変助かります。

ガイド:
確かに日本人はメリハリの効いたシェイプが好きですね。ところで、色とかはどうでしょう?

J氏:
黒は定番ですが、茶系は後の手入れで色調が若干変わる「アニリンカーフ」の人気が高いです。アメリカ人には逆に、色調があまり変化しない「ウィローカーフ」の方が人気ですよ。あと、日本の方はワイン色系の革にあまり手を出されませんね。

ガイド:
「誂えなんてよく分からない」と仰る方でも、注文は可能でしょうか?

J氏:
心配ご無用です! 日頃靴や足にどんな不満があって、どんな場所に履いてゆきたいか、どんな服と合わせたいか、これらがある程度分かっていれば、あとは私が色々アドバイス致しますから。


靴以上に「持ち主」が引き立つ靴

革の見本など
革は約100種類の中から選べます。どれも誂え靴専用の非常に柔らかくキメの細かいものばかり。
ジェイソン氏は大変ユーモアに溢れた方で、「誂え」を英語でビスポーク(Bespoke)と言う理由が分かる、「話す」楽しさを実感するあっという間の60分でした。

彼の靴は履いてみると、「靴」以上に「持ち主」がグッと引き立つのには驚かされます。シューツリーを含めると40万円強とかなりの価格になりますが、普遍性ゆえのこの靴のマジックには、それ以上の深い価値を感じてしまいました。次回は年末に来日の予定です。



【店データ】
■JASON AMESBURY
HP:http://www.amesbury.co.uk/
(英語ですが、彼の作品の詳細も見れます)

■OLD HAT
所在地:東京都渋谷区神宮前6-34-14
TEL/FAX:03-3498-2956
営業時間:12:00~20:00
定休日:無休
交通:JR「原宿駅」から徒歩5分または東京メトロ千代田線「明治神宮前駅」から徒歩3分
地図:Yahoo!地図情報
HP:http://www.oldhat-jpn.com/
(日本での受注会日程等は、確定次第こちらのホームページに載ります)


【関連リンク】
「メンズファッション ガイドサイト」 ビスポーク靴職人ジェイソン氏に取材!
【編集部おすすめの購入サイト】
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