館の名称も“男の新館”から“メンズ館”に変更してのぞんだ大リニューアル。9月10日、その全貌を明らかにした地下一階の靴売場は、バイヤー山下卓也さんが「店格を決めるのは靴です」と言い切ったのも納得の、会心のデキだった。
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世界最大規模、と言っても過言じゃないと思える圧倒的スケール。なおかつ厳選と洗練を感じさせるセレクト。オハコのドレスはさらに深化し、ハイエンドモデルをインショップ形式で展開、その輪郭がくっきりと浮かび上がった。
知名度、実力ともに双璧をなすイギリスのエドワード・グリーン、イタリアのシルバノ・ラッタンツィを核に、ほんの少しでも靴をかじったことのある人なら垂涎の品揃え。しかも今年本国で待望のビスポークを開始したグリーンでは、ビスポーク専用のレザーを用いた伊勢丹別注・限定モデルもラインナップされる。ドーヴァーなど人気4モデルで計60足限定。シリアルナンバーも入る。
英本国で待望のビスポークを開始したエドワード・グリーン。リニューアル・オープンを記念して、ビスポークにのみ使用されるレザーを採用した限定品。
価格/左13万8000円、右13万2000円
また、今や伊勢丹の専売特許になった感のある受注会は、これから2ヶ月ほどかけて過去最高の8ブランドが順次開催されていく。ちなみに受注会といえば、かつてはパターンも素材も限られていて、お手盛り的性格が強かった。いち早く顧客視点に立ち、オーダー・ブームを生んだのが伊勢丹なのです。主なところではシルバノ・ラッタンツィ(10月11~13日)、クロケット&ジョーンズ(10月25、26日)、エドワード・グリーン(11月14~16日)など。
と、ここまではさすがその迫力に圧倒されるが、それは元来得意とする分野であり、大方予想の範囲内といえる。予想を超えたのは伊勢丹初となる、クリエーター系ブランドの集積だ。ジャンニ・バルバートやプレミアータなどこちらも現在考えうる最上のブランドが、かなりのアイテム数をそろえてフェースを構成した。
クリエーターゾーンの肝となるジャンニ・バルバート。
価格/左6万5000円、右7万2000円
その狙いはもちろん、新たなユーザー層の取り込みであり、既存顧客の新たなライフスタイル提案だ。僕ら30代以下の世代の購買動向を考えたとき、ややコンサバな感が否めない百貨店は、その選択肢のかなり下位に位置していた。この現実を真摯に受け止め、真っ向から取り組んだのがクリエーターゾーンなのである。これは“男”のためのジュエリーやスキンケア、フレグランスを集積してみせたMDと大いに連動するところであり、品揃えに関して言えば、今回のキモ、といってもそれほど的外れではないはずだ。
●問い合わせ/伊勢丹新宿店tel.03.3352.1111
次は懐かしいブランドの紹介です。