こーゆー仕事をしていて、一番嬉しいのは若手の台頭。業界の先輩に聞いたら、いまはかつてないほど盛り上がっているそう。世界にも通用するようなデザイナーの登場を舞台裏から見ることができるなんて、ライター冥利に尽きるってもんです。秋冬コレクションの一部を紹介します。
●高原啓(roen=tel.03-5784-2413)
アルフレッド・バニスターのチーフ・デザイナーとして活躍していたが昨年、オリジナル・ブランド「ROEN」を立ち上げた。メンズ、レディスのシューズ、雑貨、洋服をトータルに展開するブランドで、“高原ワールド”がさらに色濃く表現されている。その世界を一言で表現するなら、アバンギャルド。職人のところに一升瓶持参で泊まり込むバイタリティをもち、デザインだけでなく靴づくりにまで精通する。現在は、国内のセレクトショップ10数軒のほか、ロスにも取引先をもつ。
●浜田比止志(TO&CO.=tel.03-5411-7438)
世界を舞台に活躍する数少ないシューデザイナー。1年の大半を海外で過ごす。今期3シーズン目となるレディスのコンセプトは「清楚」。洋服をモチーフにしたボタン使いやトレンチコートのエリを模した仕上げは斬新。殺気立った世情を憂い、採用したハトのプリント柄もかわいい(トップページのpht)。元トランス・コンチネンツのデザイナーで、そのときに培った欧州メーカーとの太いパイプが強み。
●草本一光&武田慎一(d.o.b=tel.03-5808-2619)
まだ媒体への露出は皆無に等しいが、先物買いのあなたなら押えておいて損はない新進デザイナー・コンビ。イギリス帰りの草本がメンズを、フランス帰りの武田がレディスを担当する。レディス・ライン「ラ・メトル・トゥ・ル・モンド」のawコレクションでは、スニーカーに挑戦。インナーと中敷の水色のドットが、全体の印象を引き締めてくれる。う~ん、エスプリが効いている。
●レイオニズム(GMT=tel.03-5453-0033)
「カンペール」の仕掛人、GMTが展開するオリジナル・ブランド。プリント柄のスリッポンはこの春のヒット商品だが、いち早くこれを取り入れたのがGMTだ。awでもキルティング使いや千鳥格子など、オーセンティックなイメージで継続している。ヒール回りの仕上げがユニークなブーツを出してきた「ファビオ・ルスコーニ」も、この冬欲しい1足。
●haze(DING=tel.03-5452-3355)
今度のawコレクションでデビューするブランド。手掛けたデザイナーの名前はまだ明かせないが、世界的に有名なデザイナーの会社で、アシスタントを経ず、いきなりブランドを任された実力者。修業と称し渡英、イギリスから感じ取った空気を彼女が絵にし、最近活躍目覚ましいDINGが日本国内で靴にした。ブーツ筒周りのひだ使いなどエレガントな仕上がりで、今後要チェックのブランドになること間違いなし。
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