11×8×2=176通り
というサイズ展開数を実現したのである。これに加えて、デザイン、素材、底回り、縫製などの仕様変更まできくので、トータルでは一体何種類の靴ができあがるのか、想像もつかない。
着実にファンを増やしつつある手製靴工房ギルドの代表、山口千尋さんは言う。どうせやるならとこだわった結果が176通りのサイズ展開となったわけだ。そして、ビスポークとそん色ないパーソナル・フィッティングを実現しつつ、パターン(革裁断に必要な設計図のようなもの)や材料を兼用することで、ビスポーク・ラインの3分の1に近い10万円台の価格設定を可能にした。
「何がすごいって、手でつくられることによる完成度の高さですね。このウエストの絞り、ラインの美しさは、機械では不可能です。また、ソール底面の左右均一のラウンド形状、横から見たときの安定感は、やはり機械では難しく、なおかつ機能としてみたときも必要なものです」
「ビスポークの片足単位の設計思想を応用したい」というコンセプトの元、行き着いたのが「ホールマークス」だ。“品質保証”を意味するHallmarkをブランド名にもってきたのもうなずける。ちょっとだけ、手製靴が身近になった。
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