長所の多いオークバークタンニンのソール
タンニンなめしのなかでもとくに「オークバークタンニン」のなめしは長所が多いようだ。ベイカーもレンデンバッハ(JR)もジェイエムウエストンの革も耐久性があり繊維の密度が詰まっている。
ジェイエムウエストンのアウトソールに使われる革は、バスリーという槽に50日前後浸し、その後は野外の槽でオークバークとともに8ヶ月~10ヶ月間寝かされる。1年ほどかけて作られる革は繊維が引き締まり、堅牢性が増すのである。私物。 |
「ジェイエムウエストンのソールは堅牢でいい」と昔からいわれるのは(スコットランド産の)オークバークを主としたタンニンなめしだからである。化学には詳しくないので、なぜオークバークによるなめしが優れているのかはわからないが・・・。履く頻度にもよるが「オークバークタンニン」のアウトソールは他と比べると減りにくいというのが大方の評判である。
ジェイエムウエストンはアウトソールだけでなくインソール、スティフィナー(月型芯)、先芯にもオークバーク(ベジタブル)タンニンでなめした革を使っている。私物。 |
余談だがサン クリスピンはレンデンバッハ(JR)、ガジアーノ&ガーリングはベイカーのアウトソールを採用している。ベイカーは英国のほとんどのビスポークシューズに使われることもあり、英国靴好きには憧れの革なのである。どちらも似たような特性だが、実際に加工したことのある人たちに取材したところ、「JRのほうが堅くて針が通りにくい」「JRのほうが綺麗に仕上げられる」などといった意見だった。
チャーチ ロイヤルコレクション「EDWARD」 LAST002。アウトソールにオークバークを使用する。価格120,750円。問ディセンタージュ。 |
JRのほうが均等になめされているためか、仕上げに関しては扱いやすいようだ。またビスポークシューズに多用されるベイカーは、アウトソールだけでなくインソールやスティフィナー(月型芯)などに使われることもあり、牛革の部位によって堅さが異なるのかもしれない。いずれにせよベイカーは加工するのに慣れが必要なようだ。
これまで一部の靴修理業者の間で比較的入手可能だったのがレンデンバッハ(JR)で、ベイカーの革はなかなか安定して入手ができなかった。いわば幻のアウトソールなのである。
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