オークバークのソールって何?


靴好きの人ならJ&F J Baker(以下ベイカー)の名を聞いたことがあるだろう。英国西南部デヴォン州colytonで1860年から創業しているタンナー(なめし革業者)である。1860年よりももっと古くからあるタンナーをベイカーの創業者が買い取り、2000年間変わらない伝統的な手法でなめしているそうである。

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英国西南部デヴォン州colytonで創業したJ&F J Baker。オークバークを使った伝統的ななめしにより完成する革は英国のビスポーク靴には欠かせない。写真はベイカーのアウトソール用の革。ジオグラフィーリビングでオーダーができるようになった。

原皮はそのままでは腐ってしまうため、なめす必要がある。ベイカーの場合、オーク oak(ナラ、カシ類の樹木)の樹皮から抽出したタンニンを含んだ水を使ってなめす。タンニンの濃度の異なる水槽に一定期間ずつ漬けるため、なんと完成までに1年ほどかかってしまう。なめされた段階で原皮はようやく使える革になるのである。ちなみにベイカーの革はシューズのアウトソールインソールスティフィナー(月型芯)などの革のことで、アッパー(甲革)ではない。

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ジェイアールの愛称で知られるレンデンバッハのオークバークタンニンでなめされたアウトソール。ジ・浅草コブラーではレンデンバッハ、ベイカーの革を使ったソール交換が可能。

いわゆるナチュラルなタンニンなめしだが、とくにオークの樹皮のタンニンを使ってなめしているため「オークバーク=オークの樹皮(oak bark)タンニン」と呼んでいる。ちなみにオーク樹皮のタンニンを使ってなめしているのはベイカーだけではない。ドイツのJoh.Rendenbach.jr(レンデンバッハ。頭文字をとって通称JR)やジェイエムウエストンが所有するタナリー(タンナー)も工程は異なるものの、基本的には似たようななめし方法である。ジェイエムウエストンはオークバークタンニンとはいわずにベジタブルタンニンと呼んでいる。

中級品のアウトソール
ポルトガルのファクトリーブランドの中級品。10年ほど前の価格で3万円くらい。このあたりになると100 %オークバークではない。ただ並みのアウトソールでもミンクオイルやソール専用のクリームなどでマメに手入れさえすれば長持ちすることはたしか。私物。

このオークバークタンニン以外にもチェスナット(栗の木)やミモザ(マメ科アカシア属の木)、ケブラチョ(南米産の堅木)の樹皮などのタンニンを使ったなめし方もあり、こちらも化学薬品を使わないため、総称してベジタブルタンニンなめしと呼んだりしている。

チェスナットを使ったなめしは黄色味がかったベージュ色に、ミモザとケブラチョは褐色に近い色になるといわれている。タンニンを使ったこれらのなめし方は、ゆっくりと時間をかけてなめすため繊維が詰まっていく。最終的に型崩れしにくい革になるのである。

レンデンバッハ他のソール交換のお問い合わせ先
The Asakusa Cobbler】(ジ・浅草コブラー)
TEL.080-6610-4295
営業時間 10:00~19:00
http://www.geocities.jp/asaksacobbler/

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