フォーマルな品を添える遠目無地タイ
ここでは細かな千鳥格子柄のネクタイを合わせました。ブラック×ホワイトではなく、シルバー×ブラックなので、光沢感がドレッシーな印象です。 Photo:石井幸久 |
昨年の8月に「今日からお洒落になれる遠目無地のネクタイ」という記事でご紹介しましたが、無地タイよりVゾーンに立体的な印象を与えてくれるネクタイもおすすめです。繊細な織り柄が入ったネクタイは、小紋やストライプよりシンプル&モダンを実践できるお洒落タイといえます。
ここではシルバーの織りを使った千鳥格子のタイを合わせました。
ハウンドトゥース、ドッグトゥースなどとも呼ばれるこの柄は、織り柄が犬の牙に似ていることから名付けられました。英国の狩猟用ジャケットに用いられた生地がその出自と言われています。日本では千鳥の飛ぶ様子に似ていることから千鳥格子と呼ばれます。余談ですが、この織り柄が大柄になるとその形状が星型に見えることから、スターチェックと呼ばれ、フランス語でエトワールなどとも呼ばれます。
で、この千鳥格子。クラシックスタイルが英国志向に変化してきた昨年頃から注目を集めています。スーツも千鳥格子のものがショップに多く見られ、ネクタイの柄としても注目されています。
細かな織り柄は、遠目には無地タイと同じシンプル&モダンな雰囲気に見せながら、近くでは柄があることがわかるので、無地より胸元を飾ってくれます。シルバー千鳥ならドレス感もあり、パーティなどフォーマルな席にも似合うスーツスタイルが仕上がります。
最旬のアメトラ風ストライプタイ
アイビー&プレッピーテイストのストライプタイは、ラルフローレンお得意の柄。若々しい印象で、フレッシャーズっぽくなりがちですが、縞色を落ち着いたものにすればシャープな印象です。 Photo:石井幸久 |
最旬スーツのトレンドは、実はもう英国からアメリカに移ってきています。ラルフローレンに代表されるNY風のアメリカントラッドがクラシックスタイルの最先端です。
ここで合わせたのはプレッピー気分のストライプタイです。
グリーンやイエローといった色の組み合わせは、アイビーリーグ(アメリカ東北海岸部の8つの一流私立大学)のカレッジカラーに由来します。あえて正式な色を用いずとも雰囲気だけ拝借、というのが今風プレッピーのキモではありますが。
「レジメンタルタイと同違うの?」という声が聞こえてきそうですが、レジメンタルは本来、英国艦隊の所属を表すストライプタイのことを指します。色の組み合わせも英国のロイヤルカラーといわれるパープルやグリーンなど、アイビーカラーとは少々印象が異なるのものです。今ではストライプタイを総称して「レジメン」と呼びますが、狭義にはレジメンはストライプタイの一部なのです。
アメリカントラッドなスーツスタイルが旬と言われる今季、ネイビースーツにアイビーカラーのストライプタイの組み合わせが最先端です。しかし、この組み合わせは少々若者っぽく見えてしまうので注意が必要。ストライプタイ自体、フレッシャーズ風のイメージがあるのでカラーはダーク系にして、細身のタイを選ぶこともお忘れなく。
こんな具合にスーツとシャツが同じでもタイが変われば印象が様々に変化します。プレゼンなどで衆目を集める必要がある場合は、アメリカ大統領のように赤いネクタイを締めるというビジネスセオリーもありますが、旬のお洒落なスーツスタイルを愉しむうえで、ぜひ活用してみてください。
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