文章 : 佐藤 明男(All About「男のヘアケア」前ガイド)
成人男性の約30%、1300万人近くの人が自分の薄毛、抜け毛を認識していると言われています。最近は医療技術も進歩して、男性型脱毛症(AGA)に対処する方法は様々です。
病院での薬用治療はもちろんですが、発毛・育毛サロンも実はどんどん進化しているのです。
今回は、発毛・育毛専門サロン「バイオテック」代表取締役社長清水賢さんにお話をうかがいました
薄毛に悩む方を救いたいという一心で23年やってきた
子供の授業参観日に「お父さん、来ないで」と言われた方。自信をもって商談に臨みたいから何とかしてほしいとおっしゃった方…。実に切実な思いをもちバイオテックのサロンにいらっしゃいます。佐藤先生の病院ではいかがですか。
佐藤:お父さんが薄毛だから、遺伝で自分も必ず薄毛になると思い込んで受診されたり、髪の毛を取り戻して仕事でも自信をもちたいという方など。
ほとんどバイオテックさんの場合と同じですね。いずれも、ご本人にしか分からない辛さを抱えていらっしゃいます。
清水:創業者は髪の毛で悩んでいる若者たちをとにかく救いたいという一心で、23年前に事業を始めました。髪の毛の悩みで自分に対しての自信を失ってほしくない、そんな純粋な思いだけから生まれたのがバイオテックです。
このような私たちを含め、髪の毛の悩みに対してはいろいろな方法や対策が生まれてきましたね。
佐藤:そうですね。まず40年ぐらい前からカツラが本格化し、その後育毛剤や養毛剤が脱毛に悩む男性の必須アイテムになりました。
今では医薬部外品、医薬品、植毛技術、発毛・育毛サロンなどいろいろな選択肢があります。御社のなかで創立以来大きく進歩したものといえばなにがあるでしょうか?
清水:進歩したのは発毛促進剤ですね。従来の育毛剤や発毛剤は、頭皮の毛穴から、浸透させて使用します。そのため、個人の頭皮の状態によっては、まず、頭皮の改善を行い、その上で浸透させないといけません。しかし、頭皮には、皮脂の塊があり、これはそう簡単に取り除くことができないのです。そこで試行錯誤し、毛穴もさることながら、皮膚からも有効成分を浸透させられないかと考え、新たな発毛促進剤を開発したのです。これは100ナノというレベルまで、超微粒子化していますから、皮膚から浸透し、体内に髪に有効な成分を吸収させることができます。毛穴だけでなく、皮膚から吸収しますから、従来よりも発毛効果が期待できます。
佐藤:なるほど。それは髪によさそうですね。
アメリカの育毛事情
佐藤:多くの男性が悩んでいるのが男性型脱毛症(AGA)です。思春期以降に起こる体質的な脱毛で、男性ホルモンの一種、ジヒドロテストステロン(DHT)が原因で起きることはよく知られています。清水:男性型脱毛症に対しては、20年以上にわたって研究開発に取り組んできました。この間、技術システムで日本初の特許を取得し、さらに最新の研究成果を活かした商品ラインナップを導入するなど業界をリードしてきた自負があります。
佐藤:アメリカでは、従来、日本的な発毛・育毛サロンはありませんでしたが、近年チェーン店が進出しています。植毛という外科的な手術や、医薬品の使用も多いアメリカでサロンが増えているということは非常におもしろい傾向だと思います。医療だけでは解決できない面が重視されているのではないでしょうか。
清水:毛髪の悩みに対して医療も私たちも同じところからスタートし、悩みを解決したいという目標は同じだと思いますがプロセスは違う。私たちは人の力、ソフト面に注力してお客様を大切にしています。アメリカの例は勇気づけられますね。