男のヘアケア/抜け毛・薄毛の対策

「植毛とは?」を探ってみる!(2ページ目)

ヘアケアで使われる「植毛」という言葉。育毛や増毛とはちょっと性格を異にするこの植毛について、ご説明いたしましょう。

執筆者:All About 編集部

どういった手順で植毛するのか?

それでは、実際の植毛がどのように行われるのかを見てみましょう。ここでは最も一般的で安全だと言われる「手植えによる自毛植毛」を例に取り上げます。


図1:後頭部や側頭部などから、まず頭皮ごと採取します。
 
図2:採取した所は丁寧に縫い合わされ、時間が経てば細い線くらいの痕に。髪の毛に隠れて見えなくなります。
 
図3:植毛する場所別に対応できるよう、また定着率を高めるために、細かく株分けされます。
 
図4:カウンセリング時に決定した計画、ヘアスタイルにあわせて植毛していきます。
1.診察
専門医が頭皮や毛髪の状態を診察し、カウンセリングを行います。手術の説明や術後の注意点はもちろん、将来ご希望のヘアスタイルなどによって、こまかな移植計画を練ります。

2.自毛の採取(図1、2)
後頭部、側頭部の健康な毛髪を採取します。通常の場合(1,000本移植)、幅およそ1cm、長さ12cmほどを頭皮と共に採取します。メスを使って切り取るわけですが、簡単な麻酔で、痛みはほとんど感じません。

3.自毛分け(図3)
採取した毛髪を株分け(1~3本単位に細かくばらす)します。

4.移植場所の穴開け
髪の毛を移植する部分に、特殊な針で穴を開けます。

5.移植(図4)
株分けした自毛を植え付けます。生え際などのデリケートな部分には1本毛を、その他の部分には2本毛、3本毛を1株ずつ移植し、自然な髪を再現します。
広範囲に移植する場合は、数カ月の間隔で2~3回繰り返します。採取の時と同様、痛みはほとんどありません。数時間の手術時間は、ウトウトとしていたり、ビデオを観ている間に過ぎます。もちろん日帰りで手術を受けることが可能です。

6.アフターケア
以降、消毒や抜糸、経過観察などが行われます。植毛が根付くかどうかは、術後2週間が大切。その間、植毛部分を良い状態に保ってしっかりと定着させれば、後は自分の髪の毛として長い寿命が得られます(植毛した自毛が定着し、伸びて馴染むようになるには、およそ6カ月T程度が必要です)。

安全性は、どうなのでしょう?

切ったり植えたりする植毛には、多くの誤解があるようです。特に安全面。「本当に大丈夫なの?」とお思いの方も少なくありません。
植毛の技術はすでにある程度まで高められていて、ますます進化しています。アメリカでは、年間80~90万人の人が植毛手術を受けていますが、訴訟の国・アメリカにおいても、トラブルから賠償問題に発展したことがないというほどの安全性を誇っています。

また、金額に関しては、植毛する本数にもよりますが、やはり1回の手術で30~50万円、多い場合で100万円前後の費用が必要になります。ただ、以降はお金がかかることはありませんので、トータルで見ると、リーズナブルだとも言えます。


いかがでしたか、植毛の実際。最近では試験管の中で毛根を培養し、髪の毛を増やすテクノロジーの研究も加速して、近い将来には「自毛を1本だけ採取して、培養して植毛する」という時代が来るかもしれませんね。
最後に、今回取り上げた植毛と、前回の育毛、増毛の違いを簡単に表にまとめてみました。あなたの「次の一手」の参考にしていただければ幸いです。

  概念 メリット デメリット
育毛 自毛を育てて薄毛をカバー 手軽で費用が安い
自然な行為である
直ぐに薄毛を隠せない
増毛 人工毛を付けて薄毛をカバー 直ぐに薄毛が隠せる
カツラよりは自然である
手入れが大変である
自分の毛ではない
お金がかかる
植毛 自毛・人工毛を植えて薄毛をカバー 自毛植毛で定着すると、自分の毛として生え続ける 自毛を採取した場所に、細い傷跡が残る(ただし、髪の毛で隠れて見えない)
イニシャルコストがかかる
場合によってはリスクを伴う方法、クリニックもある



◎関連リンク
→育毛剤その他関連紹介
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