ベーシックモデルにこそハイブリッドが欲しい
ハイブリッドモデル(写真)は50km/hまでモーターのみでの走行が可能。回生ブレーキやアイドリングストップ、EV走行モードも備わる。燃費(欧州複合モード)は12.2km/l |
フィレンツェ市内を、まずはハイブリッドで走ってみた。最近のVWらしく、非常にしなやかな乗り心地である。それに大型SUVならではの重厚感が加わって、VWではあるが高級なライドフィールだ。荒れた舗装面ではちょっとつっぱった感もあるが、許容できる範囲。特にEV走行中は、エンジンの存在がないため、ささいなことにもセンシブルになっている。ロードノイズなど、割り引いて考えた方がいいかも。
モーターアシストが加わったときのパフォーマンスはV8級である。それは間違いない。けれども、ホントはV6級の必要十分パフォーマンスを、たとえば4発と組み合わせて実現して欲しかった。V8狙いでくるというのは、高級路線の証。アウディやMベンツ、BMWなら判るが、VWはもう一歩、進んで欲しかった。それだけハイブリッドは手間もかかるし、金もかかるということ。そう思うとプリウスやインサイトは奇蹟的である。
ガソリンV6に乗り換える。ここ一発の瞬発力こそディーゼルはもちろんハイブリッドにもかなり遅れを取るが、それでもパフォーマンス的には必要十分だ。直噴ゆえ、低回転域でやや野暮ったいが、それ以外は8速あるATと相まって、ウルトラスムース。クルマの仕上がりの良さが光る。
驚いたのは、ディーゼルパフォーマンスだった。特に800NmのV8TDIは恐るべしのひとこと。身がぎゅっと凝縮して、弾丸のようにワインディングを駆け抜けた。ティグアンより軽快である。
現行モデルから208kg軽量化(ベースモデル比)、ねじれ剛性は5%向上している。Cd値はより低くなったデザインなどにより、0.38から0.35にアップした |
4モーション(4WDシステム)を標準採用。ボタン一つでABSやASR、ATのシフトポイントなどをラフロード用に設定変更する、オフロードドライビングプログラムを装備する |