輸入車/注目の輸入車試乗レポート

エンリコ・フミアデザイン ランチアJ(3ページ目)

ランチア100周年を記念したデザインスタディ、ランチアJが、エンリコ・フミアさんにより発表された。そのデザインについて、フミアさんご自身より伺った。

執筆者:松本 明彦

フォー・サイド・ルック

「フォー・サイド・ルック」は、建築のように、前後左右四面で対称になり、同一モチーフを繰り返し用いる。

そして前後左右対称のデザイン手法も、ランチアJでは取り入れられている。フミアさんはそれを「フォー・サイド・ルック」と呼んでいる。「建築のデザインでは一般的な、同一モチーフを前後面、側面で繰り返す手法です。全方位から安定した視認性が保たれます。カーデザインで良くある人体を模したモチーフではなく、建築的な要素が入ったデザインアイデンティティーがクルマに与えられます」。

前と・・・・

「動体のクルマでは、前後対称デザインは難しくないですか?」と言う私の質問に対しては、フミアさんから「どんな足かせになりますか?あなたはこの対称デザインに、すぐに気付きましたか?」と逆に切り返された。

後ろも、同じ「オンダ」が繰り返され、グリルとナンバープレートベース、ヘッドランプとリアランプも同じモチーフが使われ、前後左右で対称になっている。

「前後バンパーやサイドシルの『オンダ』、フロントランプとリアランプ、フロントグリルの形状はリアナンバープレートベースの窪みと、ドアノブ形状も反復され、『フォー・サイド・ルック』を構成する要素となっています」。そして前後対称のサイドウィンドウや左前と右後ろ、右前と左後ろで共通のドアとフェンダーもまた同様だ。全体に調和を生むこの「フォー・サイド・ルック」もやはり、彼のデザインによるフェラーリF90やチェリーWOW S16など一貫して採用されているデザイン手法だ。

ドアハンドルさえ、前後対称。
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