旧々型より安い!?　旧型911

国産セダン並みの価格で買えるポルシェ911

旧々型である993型に比べひとまわり大きくなった旧型（996型）。水冷化によりDOHC化が実現し、それにより高回転化と燃費向上などの恩恵を得ることができたと言えるでしょう。写真は前期モデルのカレラ４

気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい！」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はポルシェ911（旧型：996型）をご紹介したいと思います。旧型である996型は以前も取り上げましたが、あれから世の中はリーマンショックに端を発した世界的不況に突入。他の高額車も値を下げましたが、中でも996型は値落ちを加速させ、ついに旧々型である993型よりも安く中古車市場へ出回るほどになってしまいました。言い換えれば、フェラーリと並ぶスーパーカーの代名詞ポルシェ911を、お手軽価格で買う絶好のチャンスとなったのです。

例えば996型は、原稿執筆時で探してみると238万円で2000年式/7.7万km/修復歴なしのカレラ（ティプトロニックS）が見つかります。いっぽうの993型では、247万円で1995年式/8.1万km/修復歴なしのカレラ（ティプトロニックS）。これ、別に高いほうの993を選んだのではなく、むしろ下から3番目。993は最安値でも修復歴ありの222万円です。つまり997型は年式が新しく、走行距離も少ないのに、993型より安いのです。

以前の記事でも述べましたが、996型は911初の水冷エンジンを搭載、ティプトロニックは4速から5速へと進化し、エンジンは3.6Lから3.4Lへとダウンサイジングされたものの最高出力は28psアップの300psへ。「最新のポルシェは最良のポルシェ」という言葉があるように、性能は993型よりはるかに洗練されています。

993型より大きくなったにも関わらず、軽量化を実現した996型。サスペンション形式は993と同じものの、乗り心地とハンドリングの改善のため大幅に改良されました。写真は後期型のカレラ

確かに993型は丸目ライトで、空冷最後のポルシェです。スーパーカー世代ど真ん中の人にとっては993型は旧々型になった今でも憧れの一台なのでしょう。しかし、それより新しいポルシェ911が安いなんて、お買い得と言わずにはいられません。

996型のティアドロップ型ヘッドライトを気にしないという人は、良い意味で固定概念にとらわれず車を選べる賢い人です。何しろ、先の996型の238万円という価格は、トヨタセルシオ（最終型）やクラウン（旧型）、ソアラ（レクサスSCではなく）の走行距離7万km台の中古車価格と同じです。ポルシェ911が、ですよ。

このように、996型911が国産セダンやスポーティーカーなみに買えるようになった昨今。実はカブリオレやその他のモデルもおいしくなっているのです。次ページで、さらに見てみましょう。