高級中古車市場ではリーマンショック万歳!?

アウディA8 フロント
軽量かつ剛性の高いアルミを、世界で初めてフルボディに使って話題となったのは先代。当然2代目となる現行モデルは剛性も振動特性も何もかもがさらにアップしています
気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回は2009年を締めくくるにふさわしいアウディA8(現行)を取り上げます。なぜ締めくくりにふさわしいかはひとまず置いといて、まずはその中古車価格を見てみましょう。

原稿執筆時点での最安値は2004年式/7.9万km/修復歴なしの4.2Lモデルで240万円。新車時は990万円ですから750万円(75%)も落ちています。さらに注目すべきは2006年式/5.6万km/修復歴なしのL 6.0。新車時1660万円が3年ちょっとで428万円。前回のM・ベンツCL600には及びませんが、それでも75%オフです。しかもCL600より年式は4年新しい、現行モデルです。

今年を締めくくるにふさわしいとは、まさにこの点です。新車時1000万円超の高級車は、年式が新しくてもどんどん値が下がっているのです。一方で、価格がある程度落ちると途端に値落ち率が緩やかになっていきます。ガクンっと落ちて、次第に緩やか。そしてほぼ横ばい状態が続きます。確かに輸入車の高級車クラスは昔からその傾向はありますが、特に最近は顕著です。これは、ある価格帯(その車種により異なります)になると、それを待ちかまえていた人々が買い始めるのと、新しい中古車がなかなか入ってこないので、値下がりが止まるからです。例えば、値落ち率だけを見れば、先述した2004年式の4.2Lと2006年式の6.0Lモデルはともに新車時から75%オフ。年式が2年違っても値落ち率は同じまま、という言い方ができます。

アウディA8 リア
全長は4.2が5051mm、6.0が5055mm、L 6.0が5185mmといずれも5m超。また標準のタイヤサイズは4.2が17インチ、6.0が19インチ、L 6.0が18インチ。ほかには全高も微妙に3モデルで違いがあります
その背景には、何があるのでしょうか。私はこう分析しています。よく「リーマンショックに端を発した世界的不況」と言われますが、それはリーマンブラザースに勤めていたような高額所得者が消えていったということでもあります。三つ星レストランへ頻繁に通い、A8のような高級車を乗り回していた人たちが減ったのです。グッチやシャネルなどの高級ブランドが次々と日本から撤退し、代わりにH&Mやフォーエバー21が上陸してきたのが2009年という年です。とすれば、高額中古車がグングン値落ちするのは当たり前、その一方でお手頃価格になるほど買い手が増え、価格が下げ止まるのも当たり前、という考え方です。

今こそ、リーマンブラザースに勤めなくても3年落ちのA8を買えるチャンス。それも、75%オフで買えるからだけではありません。先ほど述べたように、この後の下落率は緩やかになるはずです。つまり下取り価格が期待でき、資金をある程度回収できます。加えて、この不況による異常なほどの超低金利。お金を借りても利息は安く済みます。こんなに条件がそろうなんて、そうあるものではありません。

周りと同じように今の状況を嘆いてばかりでは、目の前のチャンスにすら気づかなくなります。ものは考えよう。ピンチはチャンスに早変わり。というわけで次ページではA8がチャンスに値する車なのかどうか、さらに見ていきましょう。