年度が変わった今の時期は、走行距離が極端に少なく、広告に「登録しただけ」「未使用」と書かれる中古車が出回る台数が増えます。新車と比較して割安感があり、“新古車”と呼ばれることもある「登録しただけの中古車」はなぜ発生するのでしょうか? また新車や、標準的な中古車と較べてお得なのでしょうか? 今回はそのことを考えてみます。

まず最初に断わっておきますと、新車なのか中古車なのか紛らわしい“新古車”という呼称を広告などで用いることは、消費者に誤解を与える可能性があるとして自公共(自動車公正取引協議会)によって禁じられています。新車と中古車の差は走行距離の過多ではなく、登録され、ナンバーが付いたことがあるかどうか、なのです。ゆえに本文中でも“新古車”はダブルコーテーションでくくって表現しています。

ではその“新古車”がお得かどうかですが、端的に言うならば「新車を買うと思えば得。ただし装備や仕様、ボディ色が好みにあっていれば」ということになります。

具体的に新車と較べていくら得かといいますと、まず重量税(軽自動車で1万3200円、車重1~1.5トンの2000ccクラスの標準的な車両で5万6700円。いずれも3年分)は丸々浮きます。取得税も、登録しただけで新車と較べて約3割、新車価格200万円のクルマの場合で金額にして3万円程度安くなります。なので、ざっくり言って10万円弱はお得と言えそうです。

ただ、これだけなら新車を選んだ方が良さそうな気もしますよね。実は“新古車”の本当のお得さは、オプション装備まで含めて考えた場合の、車両本体価格自体の安さにあるのです。

そもそも“新古車”の発生ルートって何パターンか存在して、新車を注文していたお客さんが納車直前にキャンセルしたとか、購入直後に気に入らなくて手放したとか、新車販売店の試乗車だったというケースもあるのですが、主流は「新車販売会社が、メーカーからの報奨金欲しさに自社名義で登録し、それを系列の中古車販売会社に卸す」ことで発生するものです。(詳しくはコチラから過去の記事をご参考ください)

新車は通常でも一定金額の値引きがありますが、例え未使用であっても“新古車”だとそれより安くしないと売れないのですね(ま、当たり前ですよね)。さらに中古車としての販売を前提に登録されるので人気のオプションもある程度装着されていることが多いですが、これも価格にそのまま上乗せにはならず、総額で比較すると新車より20万円~50万円程度お得なプライスが設定されているケースが多いです。どっちを買おうか迷う、微妙な価格設定ですよね。

販売元がメーカー系のディーラーであれば保証などもほぼ新車と同一なので問題ありません。ただ、ボディ色やオプション装備などの各種仕様を自由に選べるのが新車の魅力ですから、色が気に入らなかったり、不要な装備が付いている“新古車”は必ずしも得とは言えません。自分の価値観と金額を考慮して、お得度を判断してください。

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