状況に応じて自動的にハイビームに切り替えるオートマチックハイビーム
日本車初のLEDヘッドライトを採用したレクサスLSが、次なる安全装備として採用したのがオートマチックハイビームだ |
日本では、山道などよほど郊外でないと活用の機会が少ないハイビームですが、ヘッドライトの機能からいうと実はハイビームを点けた状態というのが、その本来の性能を発揮できる状態なのです。ロービームはあくまでも対向車や歩行者などがいるときに眩しくないよう、ヘッドライトの性能を低下させた状態と考えられます。
そのため、道路交通法でもハイビームを「走行用前照灯」、ロービームを「すれ違い用前照灯」と定義しています。もちろん、そうしたタテマエはあるとしても、現実的に市街地ではハイビームで走行する機会はほとんどないのが実情ですが、ハイビームの使用を敬遠するあまり、本当に必要な状況でもハイビームを使わない人がいるという話も聞かれるだけに、そのあたりはちょっと問題かと思います。
10月に行われたマイナー変更によって、LS全車にオートマチックハイビームが採用された |
ただし、ハイビームを常用するとなると、ハイビームを戻し忘れたり、ステアリング操作をしながらHi/Lo切り替え作業を行うのは操作的にも厳しいという問題も出てくるでしょう。そんなときに有効になるのが、このオートマチックハイビームというわけです。レクサスLSでは、対向車や先行車の有無はもちろん、周囲の明るさなども認識してヘッドライトを最適にコントロールし、必要なときには積極的にハイビームを用いることで、夜間走行の安全性を高めているのです。
次ページでは、東京モーターショーで小糸製作所が展示していた次世代のヘッドライトを紹介します。