エンジンの性能を引き出すには、イリジウムプラグがおススメ
中心電極にイリジウムを採用したイリジウムプラグは、より着火性を向上させた高性能プラグだ |
レーシングプラグは、文字通りレース用のプラグで、熱価も高めに設定されています。標準プラグと比べて値段は数倍もしますが、レース用にチューンされたエンジンで使用できるよう耐久性や耐熱性を高めた設計が施されています。ただし、いくら高性能なレーシングプラグとはいっても、ノーマルのエンジンに使用してもほとんどメリットはありませんから、通常はまず使用する必要はありません。
最後に各プラグメーカーが独自に設計した高性能プラグは、中心電極や接地電極にプラチナやイリジウムなどの貴金属を用い、形状にも工夫を凝らすことで着火性能の向上を目指したものです。熱価もノーマルと同等レベルから設定されているため、一般ユースでエンジン性能を高めたいという場合には、これらの高性能プラグから選択するといいでしょう。
ひと口にイリジウムプラグといっても、性能重視タイプから耐久性重視タイプなどいくつかの種類がある |
また、NGKやデンソーでは、イリジウムプラグの特性を活かし、中心電極を可能な限り細くすることで、よりエンジンの性能を引き出すことができるハイパワー・タイプとイリジウムの持つ耐久性の高さというもう一つのメリットを追求したロングライフ・タイプの2種類を設定しています。そのため、各ユーザーの目的に合わせて、最適なプラグを選択することができるのです。
例えば、エンジンルームのレイアウトが複雑で、プラグ交換の手間が掛かるクルマでは、ロングライフ・タイプを選ぶことで、プラグメンテナンスのサイクルを伸ばすこともできるでしょう。また、エンジン本来の性能を引き出し、レスポンスの向上や燃焼効率の改善を目指したいという場合は、ハイパワー・タイプが向いているといえます。
ただし、ひとつ注意していただきたいのが、ハイパワー・タイプではややプラグの寿命が短めになるということです。使用するクルマや使い方にもよりますが、個人的な感覚では約1年もしくは2万kmほど走行したハイパワー・プラグでは、新品と交換するとかなり性能差が体感できるほど、性能の変化があるようです。もちろん、これくらい走行しただけで、何か不具合が出るというわけではありませんが、せっかくの高性能プラグですから、しっかりと性能を引き出せる状態で使用した方がいいのでは? というのが私の意見です。
こうしたイリジウムプラグでも、熱価はノーマルと同じものを選ぶのが基本です。エンジンの吸排気系の効率を高めるようなチューンをしていたり、ハードな走行をするという場合であれば、1番手ほど熱価を上げて様子を見てみるのもいいでしょう。1番手くらいであれば、それほど顕著なデメリットも出にくいレベルですが、エンジンの吹け上がりと低速域でのドライバビリティなどを考慮して、扱いやすさと性能のどちらをとるのか、試してみるのも面白いのではないでしょうか。