実走行&パワーチェックでHC-12aガスの効果を検証!
HC-12aの効果を確認すべく、シャシーダイナモでパワーチェックテストも行ってみたのだが…… |
計測結果は、紺色の線がエアコンOFF、ピンク色の線がR134aガス、黄色の線がHC-12aガスのもの。2000rpm以下の部分はシフトアップなどが含まれるため、グラフは乱れてしまう |
エアコンを作動させると、確かにパワーダウンしているのが分かるが、ガスによる違いは正直微妙なレベルだ |
そこで次は実際に走行して、違いを確かめてみました。今までのR134sガスを使用していたときには、確かにエアコンを入れた時のパワーロスは、はっきりと感じられるレベルのものでしたが、ガスをHC-12aに交換してからはそれほど明確にパワーロスを感じられなくなったと思います(直接比べられないので、あくまでも印象ですが)。
ただ、ガスを変えたからパワーアップするというものではなく、パワーロスの幅が少なくなるというものですから、その差は微妙なものであるのは事実です。ただし、テスト車両はトヨタが誇る(?)最新のエアコン・コンプレッサーですから、もともとそれほど抵抗が大きくなかったのかもしれません。これがもっと古いクルマや距離を走って抵抗の増えてきたコンプレッサーであれば、もっと明確な差が出たことも考えられます。実際、クラシックミニなどでは、このガスはかなり好評なようです。
また、運転状況が著しく変化するクルマでは、正確な変化は読み取りにくいかもしれませんが、作動状況が一定な業務用の冷蔵庫や冷凍庫といった分野では、国内でもすでに採用例があり、実際に電気代が安くなるという省エネ効果が確認されているそうです。そう考えれば、例えば常にエアコンが作動している今どきのオートエアコン車では、燃費性能の改善も期待できそうです。