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エアコンガスが省エネに貢献!?(2ページ目)

今回紹介するのは、交換するだけでエアコンを作動させたときのパワーロスや燃費のダウンを抑えられるという、とてもユニークなエアコンガスです。しかも、大気中に放出しても環境破壊に繋がらないエコな商品です。

執筆者:宮島 小次郎

実走行&パワーチェックでHC-12aガスの効果を検証!

 パワーチェック
HC-12aの効果を確認すべく、シャシーダイナモでパワーチェックテストも行ってみたのだが……
早速、HC-12aの効果を実車で試してみました。テスト車両は、エアコンのパワーロスが体感しやすい小排気量車のトヨタ・ヴィッツです。今回は、体感だけでなく、数値でもその差が現れないか、まずはシャシーダイナモでパワー計測を行ってみました。その結果が下のグラフです。

 パワー比較グラフ
計測結果は、紺色の線がエアコンOFF、ピンク色の線がR134aガス、黄色の線がHC-12aガスのもの。2000rpm以下の部分はシフトアップなどが含まれるため、グラフは乱れてしまう
計測は、エアコンオフの状態、もともと入っていたエアコンガスR134aのままエアコンをオンにした状態、ガスをHC-12aに交換して再度エアコンをオンにした状態の3通りでテストを行いました。その結果は、グラフの通りエアコンを作動させるとほぼ全域で5~10psのロスが発生していることが分かりました。やはりエアコンを作動させるとパワーが落ちるというのは、本当だったということです。

 トルク比較グラフ
エアコンを作動させると、確かにパワーダウンしているのが分かるが、ガスによる違いは正直微妙なレベルだ
ただ、残念ながら、ガスの違いによるパワーおよびトルクの差はほとんど見られませんでした。想像ではありますが、コンプレッサーは一度勢いを付けて回り始めてしまうと、それほど内部で摺動抵抗の変化は起こらないのかもしれません(もっと回転数が上がれば、差が出るのかもしれませんが)。そうなると、違いはコンプレッサーの勢いが付くまでの過渡領域で現れるのかもしれません。

そこで次は実際に走行して、違いを確かめてみました。今までのR134sガスを使用していたときには、確かにエアコンを入れた時のパワーロスは、はっきりと感じられるレベルのものでしたが、ガスをHC-12aに交換してからはそれほど明確にパワーロスを感じられなくなったと思います(直接比べられないので、あくまでも印象ですが)。

ただ、ガスを変えたからパワーアップするというものではなく、パワーロスの幅が少なくなるというものですから、その差は微妙なものであるのは事実です。ただし、テスト車両はトヨタが誇る(?)最新のエアコン・コンプレッサーですから、もともとそれほど抵抗が大きくなかったのかもしれません。これがもっと古いクルマや距離を走って抵抗の増えてきたコンプレッサーであれば、もっと明確な差が出たことも考えられます。実際、クラシックミニなどでは、このガスはかなり好評なようです。

また、運転状況が著しく変化するクルマでは、正確な変化は読み取りにくいかもしれませんが、作動状況が一定な業務用の冷蔵庫や冷凍庫といった分野では、国内でもすでに採用例があり、実際に電気代が安くなるという省エネ効果が確認されているそうです。そう考えれば、例えば常にエアコンが作動している今どきのオートエアコン車では、燃費性能の改善も期待できそうです。



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