抑えるところは抑え、抜くところは抜くという発想が斬新!
通常のタワーバーにありがちなボディの突っ張り感や路面からの突き上げが少ないという点も、ストリートユースに最適なポイントだ |
抑えるところは抑え、抜くところは抜く。そんな柔軟な発想が、驚くほどの一体感を生み出す源だったのです。確かに、いわゆるタワーバーを装着したときのようなボディの突っ張り感やサスペンションからの突き上げ感、というものは、特に感じませんでした。それだけに、はじめ試乗したときにはちょっと拍子抜けしたような印象もありました。
ただ、走るにつれてそのナチュラルな操作フィールが驚くべきものだということに、次第に気付かされました。特に印象的だったのが、ステアリングを切り込んでいったときに、あたかもクルマがロールする様までも自分がコントロールしているかのように、思い通りにクルマが動いてくれた点です。しかもそれは特にコーナーを攻めたりというハードな走りをした時だけでなく、交差点を曲がるときのような普段の走りでも感じられるものだったのです。
STIの辰巳さんが考える理想的な走りを実現したのが、コンプリートカーのインプレッサSTI 20th ANNIVERSARY だ |
その走りは……、確かにひとつ次元の違うものでした。ノーマル車にパフォーマンスパッケージを装着したクルマは、普段の街乗りレベルから体感できる気持ち良さがありましたが、コンプリートカーの走りは本気で飛ばした時にもクルマが自分のコントロール下から外れない、確かな信頼感がありました。それでいて、ハードなスポーツモデルにありがちな突き上げ感や不快なボディの動きはしっかりと抑えられていて、決して速さだけではないクルマを運転する楽しさがそこにはあったのです。まさにSTIマジック、ここに極まる、といったところでした。
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