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スバル車の走りを変える! STIマジック!?(3ページ目)

スバルのワークスチューナー、STIがリリースしたフレキシブルタワーバー。いわゆるボディ剛性アップを狙ったパーツかと思いきや、その狙いは全く異なるものでした。今回はそんな驚きのアイテムを紹介します。

執筆者:宮島 小次郎

抑えるところは抑え、抜くところは抜くという発想が斬新!

走行イメージ
通常のタワーバーにありがちなボディの突っ張り感や路面からの突き上げが少ないという点も、ストリートユースに最適なポイントだ
フレキシブルタワーバーを発案したのは、もともとスバルの車両実験部で新型車の開発を行ってきたという経歴を持つ、STI車両実験部長の辰巳英治さんです。いわく「近年のクルマは衝突安全性能や走行性能を高めるため、ボディはもともと十分な強さを持っています。ですから、それを無闇に頑丈にする必要はないんですよ。ボディを固めすぎれば、乗り心地などにも影響がでてきますしね。要はクルマの走行性能の向上に関わる部分だけ強度を高め、それ以外の部分はノーマルと同じになるように逃げを残してやる、というのが、このフレキシブルタワーバーの狙いです」とのことなのです。

抑えるところは抑え、抜くところは抜く。そんな柔軟な発想が、驚くほどの一体感を生み出す源だったのです。確かに、いわゆるタワーバーを装着したときのようなボディの突っ張り感やサスペンションからの突き上げ感、というものは、特に感じませんでした。それだけに、はじめ試乗したときにはちょっと拍子抜けしたような印象もありました。

ただ、走るにつれてそのナチュラルな操作フィールが驚くべきものだということに、次第に気付かされました。特に印象的だったのが、ステアリングを切り込んでいったときに、あたかもクルマがロールする様までも自分がコントロールしているかのように、思い通りにクルマが動いてくれた点です。しかもそれは特にコーナーを攻めたりというハードな走りをした時だけでなく、交差点を曲がるときのような普段の走りでも感じられるものだったのです。

 インプレッサSTI 20th ANNIVERSARY
STIの辰巳さんが考える理想的な走りを実現したのが、コンプリートカーのインプレッサSTI 20th ANNIVERSARY だ
ところで、このSTIパフォーマンパッケージは、あくまでも市販車に後付けで体感できるレベルの効果を狙って設定されたものだといいます。その完成形はやはりコンプリートモデルであるS402やインプレッサSTI 20th ANNIVERSARYなど、クルマトータルで仕上げたものにあるのです。そこで、その本来の走りも確かめるべくインプレッサSTI 20th ANNIVERSARYにも試乗させていただきました。

その走りは……、確かにひとつ次元の違うものでした。ノーマル車にパフォーマンスパッケージを装着したクルマは、普段の街乗りレベルから体感できる気持ち良さがありましたが、コンプリートカーの走りは本気で飛ばした時にもクルマが自分のコントロール下から外れない、確かな信頼感がありました。それでいて、ハードなスポーツモデルにありがちな突き上げ感や不快なボディの動きはしっかりと抑えられていて、決して速さだけではないクルマを運転する楽しさがそこにはあったのです。まさにSTIマジック、ここに極まる、といったところでした。

■関連サイト
STIオフシャルサイト


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