最高の制動性能を発揮する新ブレーキ、その値段はなんと500万円!

 NISSAN GT-R specV
2名乗車、可変減衰力ダンパーの廃止など、快適性を削ることで走りに磨きを掛けたスペシャルモデルが、GT-RスペックVだ
一昨年の12月にデビューし、日本はもちろん、世界中の注目を集めた和製スーパーカー『NISSAN GT-R』。「GT-Rは毎年進化させる」という水野和敏CVE/CPSの言葉通り、すでに2回のマイナー変更を受け、ベースモデルも着々と進化してきていますが、今年1月、かねてから噂のあったハイパフォーマンス・バージョン『スペックV』がいよいよ登場しました。その詳細については、他のガイドサイトでも紹介されている様に、1575万円という驚きの価格に見合った内容といえそうですが、実はそのメンテナンス内容も驚くべきものでした。

今回のスペックV、最大の目玉といえるのが、フェラーリやポルシェなど、世界の名だたるスーパーカーも採用しているカーボン・セラミックブレーキです。ノーマルGT-Rは、ストリートレベルではちょっと今までの国産車では経験したことがないほど、強力かつ安定したブレーキ性能を発揮するものでしたが、本格的なサーキット走行ではあっという間に根を上げてしまう、という話も聞かれました。それだけにサーキットも安心して走れるブレーキ性能は、スペックVの至上命題ともいえました。

フロントブレーキ
スペックVに採用されるカーボン・セラミックローターは耐熱性、耐久性とともに軽量性も両立した
ニッサン・カーボン・セラミック・ブレーキと名付けられたこの新システムでは、スペックVに相応しい世界最高レベルのブレーキ性能をついに手に入れたといわれていますが、実はそのお値段も世界トップレベルのものです。なんと消耗品ともいえるブレーキローターとパッド1台分で約500万円と、これだけで高級車1台分ほどの価格となるのです。ポルシェやフェラーリでカーボン・セラミックブレーキを装着する際のオプション価格でも160万円前後ですから、その3倍近くというわけです。

気になるローターの寿命は、ノーマルに比べて約3倍はもつといいますが、パッドは20%ほど減りは早いようです。ただし、これはあくまで一般的な使い方をした時の話でしょう。ポルシェなどでも、ハードなサーキット走行では一気にローターの摩耗が進行するといいますから、一般的な感覚からすると、スペックVでサーキットを走るとなると、相当覚悟を決めてゆく必要がありそうです。

リアブレーキ
キャリパーはカラーリングこそ標準モデルと異なるが、基本的には同じブレンボ製だ
ただ、GT-Rデビュー時にはパッドの摩耗が進行した場合、ローターとセットでの交換が必要、という縛りがあったのが、2009年モデルからは整備を担当するテクニカルスタッフの判断で、ローターの再使用が可能な場合は、パッド交換のみでも対応できるように改められましたので、ややコストは抑えられるかもしれません。

その他、パッド交換時にはテクニカルスタッフによる慣らし作業が必要になります。噂では、この慣らしはサーキットなどで行う必要があり、そのためのサーキット使用料などの諸経費も発生してくるということですから、パッドとローターをセットで交換した日には一体いくら掛かるのか、ちょっと想像したくありませんね。

次ページではさらに驚きのメンテ費用の実態に迫ります