消費電力が少なく明るい次世代のライト
昨年デビューしたレクサスLSの最上級グレード、LS600hの目玉として世界で初めてLEDヘッドライトが実用化された |
数年前に世紀の大発明として話題になった青色発光ダイオードでもお馴染みのLEDは、携帯電話や家電製品など、すでに一般の生活の中にも浸透している光源です。クルマの分野でも、信号機のシグナルやブレーキランプ、デイタイムライトなど、注意して見てみれば様々な部分に採用されていることに気が付きます。そして、このLEDをヘッドライトにも応用する研究が、すでに何年も前から行われてきています。
LEDをヘッドライトの光源に使うことで、さらなる省電力化やバルブ寿命の向上(基本的にはLEDは球切れを起こさない構造です)が期待されます。またHIDでは、点灯時に瞬時にある程度の明るさを発揮するため、約1万5000Vという超高圧が必要とされますが、それでも本来の明るさに到達するには数10秒の時間を要します。これに対して、LEDでは点灯した瞬間からMAXの光量を発揮することができるというメリットもあるのです。
ただこれまでのところ、LED自体の性能として、ヘッドライトとして使用するのに十分な光量を確保するのが難しかった、という課題がありましたが、技術の進歩によってそうした課題も克服されつつあります。サイズ的にも非常にコンパクトなLEDの場合、複数個を使用することで光量を確保するという対策方法もあります。
余談ですが、光源のコンパクト化が図れることで、ヘッドライトまわりのデザインの自由度が高まる、というのも、LEDの大きなメリットのひとつです。これによって、モーターショーなどで展示されるコンセプトカーのような自由な発想のヘッドライトが実現できる可能性が高まるのです。
そして、このLEDを使用したヘッドライトが、レクサスの最上級モデル、LS600hに採用され、世界で初めて実用化されました。
次ページではLEDヘッドライトの詳細を紹介します