LEDの可能性は大きいが、現実的にはまだHIDが主流か?

LS600hライト構造
LS600hでは3個の高輝度LEDをベースとした3連プロジェクターと、さらに追加のLEDによって光を拡散させる反射板を備える
レクサスのLS600hに採用されたLEDヘッドライトは、小糸製作所と共同で開発されたもので、LED自体は前述の青色発光ダイオードの件でも有名な日亜化学工業製の高輝度タイプが採用されました。では、実際にHIDよりもLEDの方が明るいのか? というと、実は現状ではそれほど明確な差はないようです。

LS600hでは、3連のプロジェクターと小型の反射板を使って、ロービームをLEDで点灯させていますが、HIDに匹敵する照度を確保するためにも、複数個のLEDが必要であったというのが実際のところのようです。また、期待される省電力の効果についても、現状ではHIDに対して明らかなアドバンテージはないようです(複数のLEDを使用するため)。

ただ、今後の可能性として、より高輝度のLEDが開発されれば、より少ない電力消費でさらなる光量のアップも実現できるはずです。何より、コンパクトなLEDを使用したことで、LSのレギュラーモデルに対しても、よりアグレッシブなデザインにできたこと、またHIDと比べて点灯直後から既定の明るさを発揮できるため、例えばトンネルに入ったときなど、突然周囲が暗くなったときでも、より安全性が確保できるといったメリットがあります。

R8ヘッドライト
V8エンジンをミッドマウントするR8は、デイタイムライトにもLEDを採用するなど、ライトまわりのデザインにも先進性が感じられる
さて、このLEDヘッドライトですが、最近ではアウディのスーパーカーR8にもオプションで採用されたり(R8ではハイビームもLEDを採用)、キャデラック・エスカレードの上級グレード、プラチナの’09モデルでも採用が決定しています。ただ、R8の本国でのオプション価格が約60万円、LS600hでも部品代だけで60万円以上というコストを考えると、現実的な価格で市販化されるのはまだ数年は先ということになりそうです。

事実上、タマ切れをすることはないというLEDは(ただ樹脂部の劣化による性能の低下はあります)、メンテナンスという意味でも理想的なアイテムではありますが、当面は明るいヘッドライトはHIDということでまだまだその地位は安泰といえそうです。




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