なぜそこまで特別指定部品に?

 NISSAN GT-R
GT-Rでは消耗部品の多くが特別指定部品に設定された
前回紹介したNISSAN GT-Rのメンテナンス方法についてですが、今回は整備の際に使用する消耗部品の中でも、特別指定部品に指定されているものについて取り上げてみたいと思います。

GT-Rでは、一般的な新車で採用される品質保証と合わせて、スーパーカーとしての性能を3年間無償で保証する性能保証という新しい試みが取り入れられました。そのための条件として、純正部品の枠を広げ、従来ではちょっと考えられないような部品まで特別指定部品として設定し、それらを使うことを義務付けたのです。

これらの特別指定部品については、日産の指定する以外のものを使った場合には、前述の保障が受けられなくなってしまうというのです。では、なぜそれほどまでに、指定部品にこだわる必要があるのでしょうか?

インパネ
国産車史上最強の480psを発揮するVR38DETTエンジン。特別指定部品のオイルはこのエンジン専用に開発された
特別指定部品として挙げられているのは、エンジン・ミッション・デフ・ブレーキの各油脂類とタイヤ&ホイール、ブレーキパッド&ローター、そしてマフラーです。まずエンジンについては、前回も少し触れましたように、現代の高性能エンジンでは各部のクリアランスを緻密に設計しているため、それに合った膜厚を持ったオイルが必要になります。ハイパワーを発揮する高性能エンジンともなれば熱による劣化や確実に油膜を保持するための耐久性なども重要な要素です。そのため、そうした条件をクリアした専用オイルこそが最適なエンジンオイルといえるわけです。

もちろん、こうした考え方は従来からあり、輸入車のハイパフォーマンスカーでもオイルが指定されていることはありました。ただ、メーカーの設計はあくまでも一般道での走行を前提にしているはずですから、こうした高性能車が本領を発揮するサーキット走行などハードユースにおいては、より高性能なオイルが必要だと考えられていました。

ところがGT-Rでは、サーキット走行までも視野に入れた設計が施されていると考えられますから、そうした従来の常識も通用しないのかもしれません。ちなみにGT-Rの指定オイルは、Mobil-1 0W-40(100%化学合成オイル)です。今までの常識からすると、これほどの高性能エンジンにはやや低粘度すぎる設定のようにも思われますが、このオイルこそがGT-Rには最適である、とメーカーは保証しているわけですから、ハードユースでも安心して使えるというわけなのでしょう。

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