カーメンテナンス/車のトラブル

バッテリー上がり対策の基礎知識(2ページ目)

いざバッテリーが上がった時、ケーブルを繋ごうとボンネットを開けてみたら、そこにバッテリーが見当たらない!? そんな事態にも慌てずに対処できるようまずは自分のクルマのバッテリー位置を確認しましょう。

執筆者:宮島 小次郎

バッテリーがエンジンルームにない場合の作業例

バッテリー端子
バッテリーがアクセスしにくい位置に設置されているクルマでは、ジャンプスタート用の端子がエンジンルームに用意されていることもあります
バッテリーがエンジンルーム内に設置されていないクルマでは、前述のフロア下以外にも、トランクルームの床下、またリアシートの下にバッテリーが設置されている例もあります。トランクルームに設置されている場合は、多くの場合床下をめくれば簡単にバッテリーにアクセスできるようになっていますが、問題はリアシート下など、一般のユーザーが手軽にアクセスできないケースです。

+端子
写真のクルマでは、+と表記された赤いカバーを開けるとプラス端子が現れます
実はこうしたクルマの場合、エンジンルーム内にブースターケーブルを繋ぎ、ジャンプスタートをするための端子が備えられていることがあります。詳しくは各クルマの取扱説明書で確認していただければと思いますが、大抵+(プラス)端子は赤い印で、-(マイナス)端子は黒や白の印字などで目印が付けられていますから、注意してみてみるとそうした端子を見つけることができるはずです。
-端子
-端子側には特別な表記はありませんでしたが、アース線が繋がれていることからも判断できます
そうしたクルマでブースターケーブルを使って、ジャンプスタートを行う場合は、指定の箇所にバッテリーと同じようにブースターケーブルを接続することで、エンジンを始動することができるのです。

ブースターケーブルの繋ぎ方については、前回の記事をご参照ください。

一度上がったバッテリーはそのまま使い続けても大丈夫?

ところで、一度上げてしまったバッテリーというのは、しっかりと充電できればそのまま使い続けることができるのでしょうか? 実はその判断はバッテリーの劣化の度合いによります。一般的な自動車用のバッテリーはスターターバッテリーと呼ばれ、エンジン始動時に十分な電圧を発生するよう設計されたものです。始動後は常にオルタネーターから充電されるようになっていますから、既定の電圧よりも低下することを考えた設計がなされていません。そのため、一度でもエンジンが始動できなくなるほど放電させてしまうと、内部の電極などを極端に劣化させてしまうことになりるのです。

ではその見極め方は、というと、正確にバッテリーの劣化を見極めるためには、専用の機器を使って充電・放電を行い、その際の電圧や液温の変化、ガスの発生量、充電後の比重の計測などを行って判断する必要があります。そのため、バッテリーが使えるかどうかの正確な判断はプロに任せるべきものなのです。

……と言ってしまうと、ちょっと不親切かと思いますので、寿命を見極めるための簡単な目安をご紹介します。まず(製品の種類にもよりますが)バッテリーを交換して2~3年以上経過している場合は、バッテリーの劣化も相応に進行していることが考えられますので、バッテリー上がりを機に新品に交換することをお勧めします。バッテリー交換後1~2年以内で、はじめてのバッテリー上がりなら、しっかりと充電することで十分に再使用可能なことが多いと思います。ただし、すでに数回バッテリー上がりを起こしている場合やアイドリング時にライトが暗く感じられるというような症状が出ている場合は、早急に交換すべきでしょう。

クルマの性能というのは、想像以上に電気によって支えられているものです。例えば、バッテリーを新品に交換しただけで、エンジンの調子が良くなったり、オーディオの音質が向上することもありますから、安心してクルマに乗るためにもバッテリーは常に正常な状態のものを使用することが大切だと思います。

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