カーメンテナンス/車の点検ポイント

ラバープロテクタント(kure)の使い方 ゴムパーツの劣化防止のために

ラバープロテクタント(kure)を使って、車のゴム製パーツの劣化を防ぐ方法を紹介します。この処置を行うと、車に使われるゴム製パーツを保護するだけでなく、新車のような自然なキレイさを保つことができます。

執筆者:高山 則政

クルマにはたくさんのゴム製パーツが使われていますが、長期間使用すると硬化やヒビ割れを起こしやすく、本来の機能が低下してくる場合があります。ゴムに浸透して、柔軟性を保つためのケミカルを使うと、保護するだけでなく新車のような自然なキレイさを保つことができます。

これらゴム製パーツの劣化を防いで、ベトつきや硬化、ヒビ割れを防止するためのケミカルが市販されています。ここでは、一般に入手しやすいクレのラバープロテクタントを使っています。効能としては、ゴム製パーツにスプレーするだけで、ゴムの劣化を防ぎ汚れの再付着を防止。さらに、ゴム製ベルトのキシミ音や鳴きを防止するとあります。

使用場所としては、エアダクト、ラジエターホース、ブレーキホース、プラグコード、ディストリビューターカバー、ファンベルト、ウェザーストリップなどです。これはツヤだしではないので、使用後にテカテカしたり油分が残ったような状態にはならず、ゴム本来のコンディションを保つことができます。
   

ウェザーストップのメンテ

ラバープロテクタント(kure)の使い方 ウェザーストップのメンテ ドア周りやトランクの開口部には、ウェザーストリップと呼ばれるゴムのパッキンが使われていて、気密や防水性を保っています。このパッキンが硬化したりヒビ割れを起こしたりすると、雨漏りや高速走行中の空気の吸い出しなどの原因となってしまいます。

実際のところは、そうそう簡単にヒビ割れることはありませんが、柔軟性が落ち、徐々にゴムの厚みが減ってくるような状態になって(平べったくなる)、密着性は低下してきます。

ケミカルを使う場合は、(ほとんどのケースでは問題にならないと思いますが)目立たない場所に少量スプレーして色変化や色落ちがないかチェックしてみます。噴射される液は透明で、ゴム表面に広がってしばらくすると浸透したり蒸発してしまいます。表面に残るものは特にないので、後で触っても元のゴム質そのままとなっています。問題なければ、全体にスプレーして乾いた布で拭き上げればOKです。

ウェザーストリップは、ドアやトランクと接触する部分だけでなく、横の部分にも吹きつけてやれば、この部分に溜まりやすいホコリも取れてキレイになります。また、水弾き効果も出てくるので冬季にドアとウェザーストリップが凍結して貼り付くようなことを防ぐことができます。
 

エンジンルームでのクリーニングや保護に

ラバープロテクタント(kure)の使い方 エンジンルームでのクリーニングや保護に エンジンルームにはラジエターや空気の配管などに、多数のゴムホースが使われています。ホコリをかぶって汚れているものは、スプレーして拭き取るとキレイになります。このようなケミカルで時々磨いてやると、エンジンルームを常にキレイに保てます。また、処理後にホコリを呼ぶことはありません。

エンジン回転中にベルトがキュルキュル鳴く場合に対しても有効です。もちろん、張り具合やベルトそのもののコンディションは正常ということが前提になりますが、ベルトの接触面にまんべんなく吹き付けてやれば、その瞬間に鳴きは収まります。

ラバープロテクタント(kure)の使い方 エンジンルームでのクリーニングや保護にエンジン回転中にベルト接触面に吹くと素早く全体に吹き付けられますが、服や手が巻き込まれるようなことがあると大ケガをすることになるので、停止状態で見えている部分に吹き付けておいてから、セルモーターを瞬間的に回して(エンジンはかけない)ベルトの位置をずらしてから吹き直せばよいと思います。ただし、塗ったときはてきめんに効きますが、長期間の持続性はそれほどないように思います。
 

プラグコードもクリーニング

ちょっと古いクルマでは、点火プラグにプラグコードで電気を流すようになっています。プラグコードには、1万ボルト前後の電圧が流れているため、汚れを引きつけやすくなっています。汚れがコードの被覆を被ってしまうと、高電圧がリークしやすくなるなど性能的にマイナスになるとされています。プラグコードを抜き、中間を固定している樹脂のクリップからコードを取り外して、直線状態にしておいてからウエスの上に置いてスプレーします。数秒したら、コードをウエスで包んでしごくように拭き上げるとキレイになります。ラバープロテクタント(kure)の使い方 プラグコードもクリーニング

頑固な油汚れが付いている場合は、あらかじめエレクトリッククリーナーやパーツクリーナーを使って落としておきます。
 

ワイパーゴムには使用不可

ゴムの保護に効果があるケミカルですが、使ってはいけないのがワイパーゴムです。ガラス面のギラツキ原因になるので危険です。また、ウェザーストリップに使う場合も、スプレーの飛沫がガラスに付着しないように注意し、もし付いた場合はクリーナーなどで拭き取るようにします。その他、タイヤのトレッド面やペダルのゴム面など、滑ると危険なパーツに対しては使えません。
 

ドアガラスをスムーズに

製品に表示されている使用法とは違いますが、僕は整備をするときにも応用しています。例えばラジエターホースを交換するときやマフラーの釣りゴムを脱着するときなど、相手の金属との滑りを良くするのに使います。これを吹けば、なかなか入らない配管などがツルッと入るようになります。逆に抜け易くならないかと疑問に思うこともありますが、浸透してしまえばベタベタ残ることはなく、次に外すときにはしっかりしていたので問題はないようです。

他に、サスペンションのゴムブッシュを装着する際にも、所定の位置になじみやすくするために使うなど、様々なケースで応用しています。

メンテの補助としては、ラバープロテクタントよりシリコンスプレーを使うケースが多いようにも思います。こちらはシリコン皮膜で金属、ゴム、プラスティック、木や紙の滑りを良くし、ツヤだしや静電気防止、防水効果があります。ホームセンターでは300円前後で売られていて、容量も沢山あるので気軽に使えます。また、ドアガラスの昇降が遅い場合も、ガラスの入っている溝ゴムに吹いてやると、動きがスムーズになる場合があります。

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