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オイルATF量の確認方法 レベルゲージによるチェック方法とは

ATFの量は、レベルゲージでチェックできますが、エンジンオイルをチェックするときとは違った気づかいが必要。そもそもATFとは? その役割や定義、さらにATF量の基本的なチェック方法、量をチェックするときの注意点等をご紹介したいと思います。

執筆者:高山 則政

ATFとは? 意味を解説

オイルATF量の確認方法とは

オイルATF量の確認方法とは

オートマチックミッションには、ATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)という専用のオイルが使われています。ATFの量は、エンジンオイルと同じようなレベルゲージでチェックすることができますが、エンジンのとは違った気づかいが必要になってきます。そこで、基本的なチェックの方法を紹介したいと思います。
   

ATFの役目・役割

最近は、ATFの交換サービスなどをカーショップで行うのが当たり前になってきているので、ATFが何のことか知っている方が多いと思います。普通のオイルが主に潤滑作用を行っているのに対し、ATFはシステムそのものを動かす「作動油」としての役割も重要なポイントになっています。

もっとも、普通のオイルでも潤滑作用のほかに、密封、清浄、冷却、サビ止め、可変機構の作動などなどの役割があり、それぞれに重要なのです。ですが、仮にエンジンオイルを抜き取っても、しばらくはエンジンが回ってしまいます。ATFが無くなると、トルクコンバーターでの動力伝達ができず、ミッション内のシフト機構も働かなくなります。つまり、ATFはミッションにとって、機能パーツの一つといえるわけです。
 

ATFの量の確認方法。普通は減らないもの

ATFは普通は減らない

ATFは普通は減らない

エンジンオイルの場合、エンジン内で燃焼されることなどで多少なりともオイルが減っていくのは避けられないのですが、ATFは基本的に消費されるということはありません。しかし、パッキンやオイルシール、ゴムホースなどが傷んでくると漏れてしまうことはあります。特にラジエーターへ接続されているオイルクーラー用のホースや、ミッションケース周辺にあるオイルシールが要注意ポイントです。
漏れが無ければ減らないと考えて良いでしょうが、念のため量のチェックもしておけば安心です。
 

レベルゲージによるATF量のチェック方法

 
レベルゲージにはHOTとCOLDPLAYがある

レベルゲージにはHOTとCOLDPLAYがある


レベルゲージは、エンジンとミッションのレイアウトによって取り付け場所がかなり違ってきます。FR車だとバルクヘッド(室内との隔壁)寄り、横置きFF車ではエンジンルームの手前側にあることが多いです。また、一部の車種ではレベルゲージが無い場合もあります。これは、ゲージを付けることによって、ゴミ混入や安易な異種フルードの混入を避けるための処置だと思われます。

ATFの量をチェックする場合は、ミッションが暖まっている状態で行うのが普通です。この状態にするにはインパネの水温計が上がっただけではダメで、実際に20分ほど走行してからミッションそのものの温度を上げておく必要があります。メーカーによっては、電動ファンが2度回るまで暖機運転をするという指示をしている場合もあります。

また、レベルチェックを行う場合は、エンジンをアイドリングのままPレンジにシフトした状態で行います。ホンダ車のホンダマチックでは、エンジン停止後60秒以内でレベルチェックをするようになっています(他と構造が異なります)。
 
ゲージについているオイルは一旦拭き取り、再度差し込み→引き抜きを行ってチェック

ゲージについているオイルは一旦拭き取り、再度差し込み→引き抜きを行ってチェック


レベルゲージには、抜け止めが掛かっている場合もありますが、それを解除しながら引き抜くと外すことができます。エンジン用と似ていますが、車種によってはかなり長い場合もあるので、引きずらないように気を付けます。一旦、ゲージに付いているオイルを拭き取り、再度差し込んでから引き抜いた時のレベルをチェックします(熱いので注意)。ゲージには、HOTとCOLDの刻印があり、それぞれに適量の範囲が示されていますが、HOTの上下ラインにATFが付いていればOKです。

レベルゲージに付着するオイルが、タイプによりかなり分かりにくいことがあります。ゲージに対して横一線に線が付くのではなく、凹型に付着する場合もあるからです。この場合ゲージを裏返しにして差し込んだり、入れたらすぐ引き上げるようにするなどの工夫が必要です。
 

ATFの量の確認・点検方法つづき

■色と臭いもチェック
新品のATFは透明な赤色をしています。使っていれば黒ずんできますが、透明度が残っているかチェックしておきます。また、付着したオイルのニオイもかいでみます。もともとあまり良いニオイはしませんが、オエッとくるような焦げ臭いニオイがする場合は注意が必要です。これで、汚れも激しい場合は、かなりダメージを受けている証拠です。この場合は、プロに診断してもらった方が良いでしょう。
 

ATFの量確認時の注意点

■レベルゲージはボロ切れで拭かない
エンジンオイルのレベルゲージは、ウエス(ボロ切れ)で気軽に拭いたりしますが、ATFのレベルゲージでは好ましいことではありません。というのも、ATはゴミを非常に嫌うからです。ATの油圧回路は非常に細く複雑で、無数の小さなパーツが油圧で動かされる部分があります。ここにゴミが挟まると、作動不良を起こしやすくなるのです。レベルゲージをウエスで拭くと、繊維クズが付着してそれがATFに混入するため、避けた方が良いと思います。どういう風にやるかというと、指先でしごいてオイル分を取り除きます。もしくは毛クズが出ない工業用ウエスなどを使うのが良いでしょう。レベルゲージが他の部分に触れたりすると、その時にゴミが付着する場合もあるので、入れる直前に汚れてないか再チェックするのが良いと思います。

■レベルは厳密さが求められる
レベルは厳密さが求められる

レベルは厳密さが求められる


ATFの場合、量によっても調子が変わることがあり、規定より増えても減っても不具合があります。多ければ安心かというと、かえって悪影響を及ぼすこともあるので注意が必要です。自分でやってみて、おかしいなと思った場合、正確な判断と処理ができるプロに再チェックしてもらうのが良いでしょう。

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