文章 : 高山則政(All About Japan「カーメンテナンス」旧ガイド)
快適なステアリング操作をするために付いているのが、エンジンなどの動力を補助に使うパワーステアリング(以下パワステ)です。今のところ、エンジンで油圧ポンプを回して、そこで発生した油圧でアシストするタイプと、電気モーターを使う電動式があります。
油圧タイプのパワーステアリングでは、専用のオイル(フルードと呼んでいます)を使用していますが、基本的なチェック方法をおさらいしておきたいと思います。
大部分が油圧式
油圧式のパワーステアリングは、大部分のクルマに使われているタイプで、エンジンからベルトでパワステ用のポンプを回し、そこで発生した油圧をステアリング操作に合わせてコントロールすることで、労力を低下させる役目をしています。一部のクルマには、エンジンのパワーロスが防げて、設置場所にも自由度がある電動式の採用もみられます。電動式は、今後の主流になるものと期待されていますが、大電流が必要となるため、バッテリーの高電圧化が普及してからになると思われます。
フルードのタンクを探す
油圧式のパワステの場合は、一部の例外を除いて、エンジンの脇にベルトで駆動されるポンプが付いているのが普通です。といっても、エンジンの脇には発電機(オルタネーター)やエアコンのコンプレサーなどもあるので、初めての人には分かりにくいかも知れません。直径2センチ前後の黒いゴムホースがつながっていたら、その可能性が高いと思います。
このホースのつながっている先をたどっていくと、一方はステアリングのギヤボックスにつながり、もう一つはプラスチックや金属のタンクにつながっていると思います。これが、リザーバータンクでパワステフルードという専用の液が入っています。クルマによっては、ポンプの上にタンクがあったり、ちょっと見えにくいところに隠れていることもあります。
量をチェック
パワステフルードは、異常の発生しない限りは減らないのですが、念のため量をチェックしておきます。アルファベットで、「POWER STEERING FLUID」などと書いてあれば、それがタンクです。まず、半透明タンクの場合は外から量をチェックすることができます。走行前ならCOLDという線、走行後ならHOTと書いてあるラインまで入っていればOKです。車種によっては、HOTやCOLDの区別がなく、アッパーとロワーの上下線しかない場合もあります。このような場合、冷えている時にアッパーまであればOKです。
金属製タンクや樹脂でも黒いタイプでは、フタにレベルゲージが付いています。基本的には、エンジンオイルの点検とやり方は同じで、一旦外してからボロ切れ(ホントにボロボロで毛クズが出るのは×)でフルードを拭き取ってからフタを締めて、再度抜き取った時にレベルゲージに付いてくるフルードの量で判断します。