フィルターの種類
カーショップなどで、オイルやフィルターを交換してもらう場合、オイルはこだわって選んでいるのに、フィルターには無頓着という例が多いように思います。もっとも、選ぼうにも店頭に1種類しかなければ、それしか選びようがありませんから無理もない話です。
カーショップによっても、取引先の関係などで販売するブランドが異なるようなので、私がよく見かけるタイプを挙げて、その違いを考えてみたいと思います。
まず、その1は純正品です。これは、自動車メーカーで発売されている部品で、工場出荷時やディーラーで交換する場合に取り付けられます。
その2は、準純正品です。ちょっとややこしいのですが、例えばトヨタの場合だとドライブジョイというブランドがあり、価格が少し安かったり、トヨタ以外の車種もラインナップしています。単に販売ルートの違いとも思ったりするのですが、実は内部構造も少し変えていて、その分コストダウンしていたりするのです。ただし、フィルター部の材質は純正品と同じで、ろ過性能は同等かそれ以上と思われます。
その3は、社外品です。カーショップやホームセンター、ガソリンスタンドなどで販売されているタイプです。種類もいろいろで、a:低価格が売りのタイプ(ほとんどはこれ)、b:スポーツタイプという性能重視タイプ、c:オイルメーカーのOEMブランド、d:20ミクロン、あるいは1ミクロンなどのゴミまでキャッチするろ過性能重視タイプ、などがあります。
信頼で選ぶなら純正品
せっかく良いオイルを使っていても、ゴミが入っていては性能をフルに発揮することはできませんし、使えば劣化し汚れるものなので、交換時期まで出来るだけクリーンな状態にしておくことが大切だと思います。そう考えると、フィルターも良いものを選んでおきたいものです。
そうすると、価格と性能の最もバランスの良いのは、純正品か準純正品ということになります。フィルターそのものの外見は、色くらいしか見分けが付きませんが中身はずいぶん違うのです。社外品の極端な例では、フィルターの目が粗すぎてゴミを取らないものや、逆に目が細かすぎてバイパスバルブから流れっぱなしというタイプまであるそうなのです。先に出てきた話のように、オイルが入っていれば即座に重大トラブルにならないことから、フィルターとしての性能をおろそかにしても、それが犯人と特定できるクレームが付けにくいということなのです。
とはいえ、社外品が全て悪いかというのではなく、純正品も手がけるメーカーの製品は大丈夫だと思います。それが、キチンと分かればよいのですが、なかなかそうも行かないので、純正品や準純正品が安心だということです。
オイルメーカーのOEMでは、モービルのオイルフィルターをよく見かけます。これは、製造をデンソー(トヨタ車やマツダ車などのフィルターも製造)が行っており、仕様としてはドライブジョイ(トヨタの準純正的ブランド)と同様のようです。
スポーツフィルターとは?
オイルフィルターにもスポーツタイプというのがありますが、これはどのようなものかというと、フィルター自体のろ過性能をアップさせたり、高回転を多用したり、粘度の高いオイルを使ったときの高油圧に耐えられるようフィルター変形防止のバックネットを入れるなどの強化策を採っているのが特徴です。ただし、ろ過性能を上げると、ろ過の抵抗が出てきますので、この兼ね合いが難しいところです。
ろ過性能を上げたフィルターとは?
純正品よりも細かいゴミ(1ミクロン)を取ろうとするもので、ブランドとしては、トラスコというのが有名です。純正のオイルフィルターをアルミケースにトイレットペーパーのようなろ紙が入ったものに交換します。その後はろ紙だけの交換になります。ろ過という面では、効果は上がるようですが、オイルの通過抵抗は大きいように思われます。
また、ネフロンという後付け方式のフィルターもあります。これは、船舶などのオイル無交換システムとして造られ、クルマ用にも発売されています。別にフィルターを設置して、そこへ少しづつオイルを流すバイパス方式でろ過します。
一般のフィルターと同じもので、高性能タイプということでは、フラム社のX2というフィルターがあり、オオサワから発売されています。特殊形状の繊維で20ミクロンのゴミなら95%以上キャッチするというもので、スポーツフィルターに求められる耐圧性も確保しています。まだ流通は少なく、やや高価になりそうですが、プレミアムタイプのフィルターとして普及して欲しい製品です。
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